技術開発ニュース No.168

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研 究 成 果
の口径は 32mm であり、CVV-S ケーブル 5.5mm2×20 芯、
8 mm2×12 芯および 38 mm2×4 芯まで切断可能である。
① スタンダードモデル
第5図 スタンダードタイプのカッター刃内臓のリングの構造
そして、現場でのニーズを取り込み、腰道具袋に入るほ
② 小型モデル
第8図 模擬実験場での予備実験の様子
どのさらなる小型軽量化を追求した、持ち運び便利な「小
型タイプ」も考案した。カッター刃内蔵のリングの口径は
21mm で CVV-S ケーブル 5.5mm2×8 芯まで切断可能で
あり、脱着できる構造である(第 6 図参照)。
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現場試験
実際の超高圧変電所の制御ケーブル撤去作業現場におい
て、リングアタッチメント型ケーブルカッター試作品を試
用し、取扱い性を検証した(第 9 図参照)。その結果、「実
用性が高い」と評価された。
第6図 リングアタッチメント型ハンドカッター「小型タイプ」
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リングアタッチメント型ハンドカッターの
試作
「 ス タ ン ダ ー ド タ イ プ 」 と「 小 型 タ イ プ 」 を 試 作 し
① スタンダードタイプ ② 小型タイプ
第9図 現場実験の様子
た(第 7 図参照)。試作品は連続切断 2,000 回・電動油圧
10,000 回の耐久性を有する素材・構造とした。なお、「ス
タンダードタイプ」と「小型タイプ」ともに特許出願済み
である。
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あとがき
撤去制御ケーブルにリングを通したうえで工具の入れ替
え無しで切断できるリングアタッチメント型ハンドカッ
ターを考案し、試作・試行を通じて、実用に耐えうるモデ
ルを開発した。
リングアタッチメント型ケーブルカッターのスタンダー
①スタンダードタイプ ②小型タイプ
第7図 試作品
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予備実験
ドタイプ・小型タイプともに制御ケーブル誤認のおそれが
まったく無くなり、高い安全性を確保した状態でケーブル
を切断でき、同時にその場で切断できることから施工性も
向上することがわかった。現行のルールでは制御ケーブル
切断作業時には誤認防止のため監督者の立会いを必須とし
ているが、このリングアタッチメント型カッターを使用する
電力技術研究所の実験室に新たに設けた模擬実験場にお
ことで、監督者の立会いを省略することができ、人手不足
いて、リングアタッチメント型ケーブルカッター試作品の
の解消および作業効率化にも役立てられることがわかった。
基本性能を確認するための予備実験を行い、実用上の基本
今後、デザイン性・機能性を高めた製品化を進め、リン
性能を有していることを確認した(第 8 図参照)。
グアタッチメント型ケーブルカッターの市販につなげる。
技術開発ニュース 2024.03/No.168
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