技術開発ニュース No.169

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研 究 成 果
そこで、原因究明および対策提案のために破面観察およ
そこで、追加サポートを提案し、対策後の振動測定を実
び配管振動測定の 2 方面からアプローチを実施した。
施したところ、十分振動を抑える(第 8 図)ことができ、
一つ目の破面観察では、破損した配管を観察した結果、
き裂発生は再発していない。
疲労き裂の破面(第 5 図)が確認され、ユニットの起動停
止における振動によりき裂が進展していることが推定さ
れた。
き裂進展方向
第 8 図 対策後現場写真(左)および測定データ(右)
第 5 図 き裂発生配管(左)および破面(右)
二つ目の配管振動測定では、「配管振動抑制自動提案シ
4
まとめ
ステム」を用いて振動測定を実施したところ、ユニット起
(株)JERA 火力発電所の配管振動対策 10 箇所の実績を
動時に振動ピークがあることが確認(第 6 図)された。
踏まえて、中部電力グループ内のバイオマス発電所および
社外お客さま(アルコール製造会社)の配管振動問題に取
り組み、課題解決できた。本システムは、十分な完成度と
なっており、社外相手先への適用拡大をさらに進めている
ところである。
X軸
5
Y軸
今後の展開
X
Z軸
Y
現在、新たに第 2 世代の開発に着手しており、非接触測
Z
定、遠隔操作およびシステムの最適化に取り組んでいる。
振幅値ピーク
第 6 図 測定モデル(左)および測定データ(右)
非接触測定では、センサー代替として高解像度カメラを
使用することでセンサーの耐熱性の課題克服にチャレンジ
している。遠隔操作では、現地ニーズに即座に対応できる
またユニット停止中の固有振動数測定では、配管破損個
よう、測定の遠隔化システム構築を進めている。システム
所に曲げモーメントを生じる振動モード(第 7 図)が確認
の最適化では、より使い勝手がよく、初心者でも扱いやす
され、タービン回転数(3,000rpm)の 50Hz と共振して
い装置の開発を実施している。
いることが確認された。
社会実装拡大に向けて、常に「かいぜん」を継続して
いる。
破損位置に曲げモーメント
が生じる振動モードであり、
50Hz と共振している
第 7 図 固有振動数測定(振動モード)
技術開発ニュース 2025.03/No.169
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