技術開発ニュース No.169

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研 究 成 果
(1)開発品の特徴
・電化によるエネルギー効率向上
電気ヒータの非引火性を活かし、ヒータをコンベア面
に接近させることで、より効率的に茶葉に熱を伝達する
ことが可能
・誰でも理想的な火入れを実現
種類の異なった 2 段式のコンベアの採用や温度センシ
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経済性の評価
開発機の経済性を評価するため、イニシャルコストおよ
びランニングコストをモデル試算した。試算条件とその結
果を第 3 表、その抜粋を第 4 表に示す。
ング機能・遠赤外線ヒータの搭載により、茶葉への加熱
第 3 図 コスト試算表
ムラを低減させることができ、品質の高い煎茶(茶葉の
香りと味)を安定的に生産することが可能
第 3 表 電気ヒータ式茶焙煎機の主な仕様
第 4 図 経済性の評価
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まとめ
本開発機は、熱源をガスから電化したことにより、エネ
ルギー効率を向上するとともに、生産者が非化石証書等を
活用することで、CO2 フリーでの煎茶製造という付加価値
の向上が可能となる。
また、温度センシング機能による電気ヒータとコンベア
第 2 図 電気ヒータ式茶焙煎機の外観
の最適制御により、茶葉の品温を一定に制御し、経験の浅
い人でも、安定的な火入れや火入れ具合の調整が可能とな
る。これにより、業界が抱える技術継承の課題解決に取り
組んでいく。
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今後の展開
今後は、IoT 化に向けたセンシング機構を組み込むこと
で、茶師の作業を補助する仕組みを検証していく。また、
脱炭素や地域社会の課題解決に貢献する新たな価値の創出
第 3 図 電気ヒータ式茶焙煎機の構成図
に向けた研究開発を進め、お客さまや社会の発展に貢献し
ていく。
技術開発ニュース 2025.03/No.169
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