プレスリリース

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浜岡原子力発電所における津波対策について

2011年07月22日
中部電力株式会社

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当社は、このたび、東北地方太平洋沖地震による東京電力福島第一原子力発電所の事故等から、これまでに得られた知見を反映して、浜岡原子力発電所における津波対策を策定いたしましたので、お知らせいたします。

今回お知らせする津波対策は、社会の皆さまの原子力発電に対する不安の高まりを真摯に受け止め、浜岡原子力発電所の安全性をより一層高めることを目的としたものです。

これまでに、当社は、浜岡原子力発電所について、過去に大きな影響を及ぼした安政東海地震や宝永地震等による津波を踏まえ、津波に対する安全性を確認しております。また、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を踏まえた緊急安全対策を完了しております。

今回の津波対策では、「浸水防止対策」として、①防波壁の設置等による発電所敷地内浸水防止対策を、次に、②敷地内浸水時における建屋内浸水防止対策を講ずることといたしました。さらに、福島第一原子力発電所で発生した「全交流電源喪失」および「海水冷却機能喪失」を仮定した場合にも、確実かつ安全に冷温停止に導くことができるよう、多重化・多様化の観点から冷却機能を確保する対策とし、「緊急時対策の強化」を図ることといたしました。

発電所敷地海側に設置する防波壁については、浜岡原子力発電所前面の砂丘堤防高さ〔T.P.(東京湾平均海面)+10~15m〕に、福島第一原子力発電所での津波遡上高(T.P.+15m程度)も考慮し、防波壁の高さをT.P.+18mといたしました。

なお、浜岡原子力発電所における津波遡上高については、東海・東南海・南海地震の3連動の地震等を検討し、T.P.+8m程度と想定しております。

東北地方太平洋沖地震と同規模のマグニチュード9の地震が発生した場合の津波モデルを仮想的に作成し試算した結果からは、T.P.+10m程度との結果を得ております。

当社は、今後も、福島第一原子力発電所の事故調査や中央防災会議の検討等における、新たな知見に対し、適切に必要な対策を講じてまいります。

また、福島第一原子力発電所の事故の知見を踏まえ、地震・津波と原子力災害の同時発生を想定し、グループ会社を含めた防災体制の見直し・強化に取り組んでまいります。自治体等が行う災害時の住民への対応については、自治体等と連携を密にして適切に実施するとともに、知見の提供等の協力を積極的に行ってまいります。

当社といたしましては、本日お知らせした津波対策工事を2012年12月に完了することを目標に実施し、浜岡原子力発電所の安全性を一層向上させるとともに、丁寧にご説明することで、地元をはじめ社会の皆さまの安心につながるよう、全力で取り組んでまいります。

なお、津波対策の内容については、経済産業省原子力安全・保安院に報告しております。

【浸水防止対策】

【浸水防止対策①】
発電所敷地内浸水防止

防波壁の設置等による発電所敷地内への浸水防止

【浸水防止対策②】
建屋内浸水防止

敷地内浸水時の海水冷却機能維持・建屋内浸水防止

【緊急時対策の強化】

【緊急時対策の強化】
冷却機能確保

全交流電源・海水冷却機能の喪失を仮定した冷却機能の確保

  • 注水・除熱・電源の機能に対し、多重化・多様化の観点から代替手段を講ずることにより、原子炉の安定した高温停止状態を維持し、確実かつ安全に冷温停止状態に導く

(注)今回の津波対策の工事費は、概算で約1,000億円であり、当期の業績に与える影響は、軽微であります。

別紙

以上

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