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プレスリリース バックナンバー(2012年)

磁気ヒートポンプ技術の研究開発について~ノンフロン高効率ヒートポンプの実現にさらに前進~

2012年6月19日

中部電力株式会社
公益財団法人鉄道総合技術研究所
株式会社三徳

中部電力株式会社(代表取締役社長:水野明久、所在地:名古屋市東区東新町1番地、以下「中部電力」)、公益財団法人鉄道総合技術研究所(理事長:垂水尚志、所在地:東京都国分寺市光町二丁目8番38号、以下「鉄道総研」)、株式会社三徳(社長:岡田力、所在地:神戸市東灘区深江北町四丁目14番34号、以下「三徳」)の三社は共同で、「省エネルギー革新技術開発事業(注1)」の一環として、永久磁石を回転させることで冷暖房を可能とする磁気ヒートポンプ技術の開発を行っております。このたび、磁気ヒートポンプの基礎技術として、高効率性能を実証し、実用化に向けた技術開発にさらに前進しましたのでお知らせします。

磁気ヒートポンプ技術とは、フロンや代替フロンなどの気体を圧縮・膨張させる従来のヒートポンプとは異なり、磁気作業物質(注2)に磁界を与えると発熱し、磁界を取り去るとその温度が下がる現象を利用したヒートポンプ技術です。磁気ヒートポンプは、「理想的な熱サイクルに近い運転の実現が期待でき省エネ効果がある」、「フロンや代替フロンを用いないため環境にやさしい」、「コンプレッサーを用いないため静かで振動も少ない」という特徴があり、将来の空調機器や冷蔵庫への利用が期待されています。

このたびの研究では、中部電力と三徳が、従来の磁気作業物質であるガドリニウム(Gd)のおよそ2倍の温度変化を生じさせる性能を有するランタン鉄(La-Fe)系材料という新しい材料を、金属溶融凝固技術(注3)を応用することで、kg単位で製造する技術を確立しました。

La-Fe系の材料は、その性能は知られていましたが、量産技術が確保されておらず、磁気ヒートポンプとして性能を評価できる量の確保ができませんでしたが、これにより、評価が可能となりました。

量産したLa-Fe系材料を、鉄道総研が開発した、疑似的に磁気ヒートポンプ性能を評価できるシステムに搭載し、中部電力と鉄道総研でシステム性能を検証しました。

その結果、冷凍能力でGdを用いた場合のおよそ2倍の100Wの性能が確認されました。冷凍能力(Q)を消費電力(P)で除した成績係数(COP)(注4)は4.5が得られたため、磁気作業物質の性能向上に応じてシステムの冷凍能力や効率が向上することを実証できたこととなります。

今回の成果により、実用レベルの10kW級システムを想定した場合、COP:10を超えるシステムの開発に向け、さらに前進したこととなります。今後、この技術を利用した車両用空調システムや自動販売機等への早期実用化に向け、新しい磁気作業物質の量産技術の確立や形状の最適化などにより、さらにコンパクトでより高効率なkW級装置の試作・検証を進めてまいります。

(注1)独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した提案公募型の国家プロジェクト。本研究開発は、次世代ヒートポンプ開発を目的とする研究件名であり、2011年12月より実施。国立大学法人東京工業大学大学院総合理工学研究科、神戸大学大学院工学研究科、九州大学大学院理学研究院物理学部門、サンデン株式会社、地方独立行政法人北海道立総合研究機構と産学官連携で受託。

(注2)磁界をかける(磁石を近づける)と磁石のようになる物質。

(注3)金属を一旦溶かした後、冷却することで任意の形を得る技術。

(注4)成績係数(COP)= 冷凍能力/消費電力。この値が大きいほど省エネとなる。

 

参考

以上