過去の「事故・故障など」に関連する情報

シュラウドと再循環系配管の点検状況について

4号機の例を中心に、ひび割れ(以下ひびと言う)の点検や評価の結果をご説明いたします。
(内容は2003年8月末時点の状況をもとに作成しています。)

Q どこに、ひびがあったの?

A シュラウドと再循環系配管の溶接線付近です。

4号機を例に説明します。

ひびの見つかったところ。(原因はいずれも応力腐食割れでした。)(1)シュラウド。燃料を取り囲み、原子炉圧力容器の中で水の流れを分離する役割をしています。下部リング部とサポートリング部の溶接線付近に、ひびが見つかりました。(2)再循環系配管。原子炉圧力容器の中の水を循環させる役割をしています。6箇所の溶接線付近に、ひびが見つかりました。ひびの深さは最大5.4ミリメートルでした。(配管の厚さは約4センチメートル)

Q ひびがあっても大丈夫なの?

A 4号機のシュラウドについて、構造強度上問題ないことを確認しました。

現時点でひびがあっても、強度上十分な余裕があります。さらに、5年後のひびの進み具合を予測して、余裕を確認しました。

点検で見つかったひびは、下部リング部とサポートリング部の全面にわたって断続的にありました。ひびの深さは、平均で8ミリメートル、最大で14ミリメートルでした。平均8ミリメートルの深さのひびが、仮に全面に連続してあるとしても、強度上十分余裕があります。
強度が維持できるひびの深さと下部リング部のひびの深さ、運転期間の関係グラフ。
強度が維持できるひびの深さに対して、5年後(注3)も十分な余裕があります。
次回定期点検時と、その後の2年ごとに、ひびの監視・評価をしていきます。
強度が維持できるひびの深さとサポートリング部のひびの深さ、運転期間の関係グラフ。
強度が維持できるひびの深さに対して、5年後(注3)も十分な余裕があります。今後1年ごとに、ひびの監視・評価をし、十分な強度があるうちに補修します。
3号機のひびについては、構造強度上問題ないことを確認しました。1号機のひびについても評価をすすめています。
応力腐食割れのイメージ画像

(注1):応力腐食割れ: 応力腐食割れによるひびは、

  • 応力(溶接部などに残っている引っ張る方向の力の大きさ)
  • 腐食しやすい環境(原子炉水中の酸素濃度)
  • 材料の性質(ステンレスなど)

の3つの要因が重なったときに発生する可能性があります。

(注2):強度上必要な厚さ: 考えられる最大の地震(マグニチュード8.5)に耐えるのに必要な厚さです。

(注3):5年後: 点検による停止期間があるため、実質の運転期間は4年間に相当します。

Q 今後は、どうするの?

A 4号機のシュラウドは監視を続けます。シュラウドについては、国から「現時点で直ちに補修する必要はない」との見解を受けました。今後、定期的に監視・評価を行い、必要に応じて補修してまいります。

4号機の再循環系配管で、今回ひびを確認した部分はすべて取り替えました。

再循環系配管の取り替え作業風景と、自動溶接機を使った作業風景の写真

1、2、3、4号機の検査・点検状況は、「点検情報」でご覧いただけます。

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