その他の記者会見
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平成23年4月度 電事連・社長記者会見
2011年04月15日
中部電力株式会社
- 「東北地方太平洋沖地震」発生より約1カ月が経過いたしました。まず、この度の震災により亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、被災された方々やご家族をはじめ、関係する皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
- 地震による被害は甚大であり、被災された皆さまには多大なご苦労があると思いますが、この辛い状況を克服されますよう、切にお祈り申しあげます。
- 「東北地方太平洋沖地震」により発生した福島第一原子力発電所の事故については、まことに重大であると受け止めております。同発電所の周辺地域の方々は、大変なご苦労をされておられます。当社といたしましても1日も早い収束に向けて、最大限の支援をして参りたいと考えております。
- 本日、私からは、
- 地震後の浜岡原子力発電所の対応
について、お話しいたします。
- 3月11日午後に発生した、三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震では、浜岡原子力発電所のある御前崎市で震度3を観測しました。
- 地震発生当時、3号機は定期検査のため停止しており、運転中であった4号機、5号機については、地震による影響はなく、安定した運転を継続しております。
- 当社は、事故の状況について情報収集を行っている段階でありますが、国や東京電力株式会社の発表などを踏まえ、浜岡原子力発電所の津波に対する防災対策を強化いたしました。
- まず、これまでの浜岡原子力発電所の津波対策についてお話しします。
- 浜岡原子力発電所では、東海・東南海・南海地震の3連動とされる1707年の宝永地震津波など、敷地周辺に影響をおよぼした津波について文献に基づく検討に加えて、不確かさを考慮した津波の数値シミュレーションを基に津波の最高水位を検討しております。この結果、敷地付近の津波の高さは、満潮位を考慮しても最大で東京湾平均海面から8m程度であります。
- 8m程度とした津波の高さの想定に対して、発電所周囲は東京湾平均海面から10m以上あり、安全上重要な施設を収容している原子炉建屋等の出入口の扉は防水構造にするなどの対策を図っていることなどから、浜岡原子力発電所は津波に対する安全性を確保していると考えております。
- 次に、当社が現在進めております津波対策についてお話しいたします。
- 当社は今回の福島第一、第二原子力発電所の事故を受け、津波の構内への浸水防止対策や津波の構内への浸水を想定した対策について実施してまいります。
- まず、発電所構内への浸水防止対策を目的に、発電所海側の砂丘背面や側面の一部に東京湾平均海面から高さ12m以上のコンクリート製の防波壁を設置してまいります。
- この防波壁の工事について、防波壁の配置計画および構造設計に用いるデータを取得するため、4月5日から測量やボーリング調査等の地盤調査工事を開始いたしました。
- また、津波の構内への浸水を想定した対策として、
- 海水系ポンプエリアへの防水壁の設置
- 防水構造の扉の点検および信頼性強化
を実施いたします。
なお、海水系ポンプエリアの防水壁の設置工事は4月5日に開始いたしました。
- 加えて、浸水した後の電源の喪失や機器の故障など、緊急事態に備えた対応として、
- 海水系ポンプ電動機の予備品および仮設水中ポンプの確保(3、4号機3月13日確認済、5号機手配中)
- 可搬式発電機による蓄電池の枯渇防止およびポンプ電源確保(4月12日時点で12台配備完了)
- 可搬式動力ポンプ等による水源の確保(4月14日12台配備完了)
- 原子炉格納容器の機能維持のための窒素ボンベの設置(4月15日完了)
について対応をいたしました。
- 今後、
- 予備蓄電池の確保
- 災害対応用発電機を敷地内の高台へ設置
- 非常用炉心冷却系などの予備品の確保
- 緊急時の専用資機材倉庫を敷地内の高台へ設置
等の対策を、順次実施してまいります。
- また、3月29日には、緊急時の対応力の強化を目的に、1回目の緊急時対策訓練を実施いたしました。
- さて、当社は、3月30日に経済産業大臣から「平成23年福島第一・第二発電所事故を踏まえた他の発電所の緊急安全対策の実施について」の指示文書を受領いたしました。
- 当社は、この指示文書を真摯に受け止め、対応したうえで、速やかに国に報告をしてまいりたいと考えております。
- 今後も、情報の収集に努め、新たな対策が必要であれば迅速かつ適切に対応し、地域の皆さまのご理解をいただけるように総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
以上