プレスリリース
既存火力発電事業の統合に係る基本合意書の締結について~環境変化に対応する新しいビジネスモデルの構築を目指して~
2017年03月28日
東京電力ホールディングス株式会社
東京電力フュエル&パワー株式会社
中部電力株式会社
東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東京電力HD」)の100%子会社である東京電力フュエル&パワー株式会社(以下、「東京電力FP」)と中部電力株式会社(以下、「中部電力」)は、燃料・火力発電分野における包括的アライアンス(以下、「本件アライアンス」)に関し、燃料受入・貯蔵・送ガス事業および既存火力発電事業の株式会社JERA(以下、「JERA」)への統合(以下、「本統合」)を目指すことについて、本日、基本合意書を締結しました。
今後、東京電力HD、東京電力FPおよび中部電力は、対等・互譲の精神に基づいて、本統合に向けた詳細な検討と協議を進め、2017年度上期中を目途に統合に係る合弁契約書の締結を目指してまいります。また、東京電力グループは、本統合を通じて福島復興に貢献してまいります。
1 事業統合の背景・目的
東京電力FPおよび中部電力は2015年4月のJERA設立以降、燃料上流・調達から発電までのサプライチェーン全体に係るJERAへの事業統合を順次進めてまいりました。これまで、スケールメリットを活かした事業展開により、各事業領域において着実に統合効果が生まれております。
今後、国内エネルギー需要の伸び悩みや再生可能エネルギーの普及拡大などに加え、「新たな電力市場の創設」、「小売自由化の進展」など、国内のエネルギー市場環境は大きく変化することが予想されます。このような事業環境変化に柔軟に対応するとともに、本件アライアンスの効果を最大化するために、東京電力FPおよび中部電力は、本統合に関する詳細検討を開始することについて合意いたしました。
2 JERAの目指す姿
本統合により、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売にいたる一連のバリューチェーンが完成いたします。
本統合によって東京電力FPおよび中部電力の国内火力発電事業の再編を図るとともに、既に統合している燃料事業、海外発電・エネルギーインフラ事業とのシナジー効果を発揮することで、各事業領域の成長を加速させるとともに、バリューチェーン全体の最適化を図ってまいります。
このような事業展開を通じて、国際エネルギー市場で競合他社と互角に戦うことができるグローバルなエネルギー企業体に成長させることにより、国際競争力のある電力・ガス等のエネルギー供給を安定的に行うとともに、東京電力グループおよび中部電力グループの企業価値向上を目指してまいります。
3 期待する統合効果
国内火力発電設備の合理化や、電源のスクラップ&ビルドを一体的・戦略的に行い、再生可能エネルギーを含めた全体での「最適な電源ポートフォリオの構築」を図るとともに、東京電力FPおよび中部電力の保有するノウハウ・事業基盤に加えIoT技術や外部リソースを積極的に活用することにより、「グローバル市場で競争力のあるオペレーション&メンテナンス(以下、O&M)モデルを構築」するなど、国内火力発電事業の競争力向上と環境負荷低減を目指してまいります。
また、海外のエネルギー市場で培ったトレーディングのノウハウを国内に応用することで、新たに創設される国内の電力市場における健全な市場形成に貢献するとともに、市場取引を活用して収益の拡大を目指してまいります。
さらに、ガス卸販売やグローバルレベルのO&Mビジネスの展開など新たな事業領域にも積極的に挑戦してまいります。
今後、詳細検討を進める中で統合効果の定量化を図るとともに、更なる統合効果創出の施策を検討してまいります。
今後も東京電力HD、東京電力FPおよび中部電力は、JERAが独立した企業文化と市場から信任される強く健全な経営・財務体質を有し、自律的な事業運営および迅速な意思決定が可能な経営体制が確保されるよう、JERAの事業活動を支援するとともに、JERAの事業活動を通じ、エネルギーの経済的かつ安定的な供給という公益的使命の達成と企業価値の向上に努めてまいります。
【今後のスケジュール】
2017年度上期 |
合弁契約書締結 |
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2019年度上期 |
JERAに事業統合 |
(注)今後の協議状況により変更の可能性あり
別紙
以上