プレスリリース

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急速冷却装置“HDブラストクーラー”の開発~冷却時間を従来と比べ100分の1以下に短縮できる画期的な技術~

2017年10月24日
中部電力株式会社
株式会社豊電子工業
直本工業株式会社

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中部電力株式会社(代表取締役社長:勝野哲、所在地:愛知県名古屋市)、株式会社豊電子工業(代表取締役社長:盛田高史、所在地:愛知県刈谷市、以下「豊電子工業」)および直本工業株式会社(代表取締役社長:直本行雄、所在地:大阪府大阪市、以下「直本工業」)は、金属製品を従来の自然放熱方式やファン風冷方式と比べて100分の1以下の時間で冷却できる「急速冷却装置」(商品名:HDブラストクーラー)を共同で開発しました。

工場の金属製品を冷却する工程で主流となっている自然放熱やファンを用いた冷却方式は、冷却時間が長いという課題がありました。また、水に浸して冷却時間を短くする方式もありますが、割れの発生による製品不良や、冷却後に乾燥が必要であることが課題でした。 このため、冷却時間の短縮と製品不良の解消を両立する冷却方法が求められていました。

本開発品は、微小な水滴(ミスト)と高圧エアを製品にあてることで、従来の自然放熱方式やファン風冷方式の100分の1以下の時間で、製品不良が発生することなく冷却します。また、水に弱い製品については、搭載したファンからの高速冷風による冷却も可能です。

本開発品は、2018年1月から豊電子工業および直本工業より年間50台を目標に販売します。

なお、本開発品は、10月26日および27日に当社の技術開発本部(名古屋市緑区大高町北関山20番地の1)で開催する「テクノフェア2017」で、展示いたします。

【既製品と本開発品の比較】

既製品

開発品


自然放熱方式

ファン風冷方式

水に浸す方式

方法

・ファンを用いず大気中に放熱

・ファンによる風冷

・製品を水に浸して冷却

・ミストと高圧エアによる冷却
・ファンからの高速冷風でも冷却可能

特徴

・冷却速度が遅い
・製品に割れが発生しない
・冷却後に乾燥させる必要が無い

・冷却速度は早い
・製品に割れが発生することがある
・冷却後に乾燥させる必要がある

・冷却速度が早い
・製品に割れが発生せず、冷却後の乾燥も不要

冷却時間

・数時間

・数時間(自然放熱方式より短い)

・数秒(冷却)+1分~3分程度(乾燥)

・1分~5分程度

「HDブラストクーラー」の主な特長

  1. 冷却時間の大幅短縮
    金属製品(0.1~10kg程度)を900°Cから自然放熱で冷却する場合は、従来は数時間以上かかっていましたが、本開発品では最短で約1分に短縮できます。
  2. お客さまニーズに対応した3種類の冷却モード
    水残りをなくして乾燥を不要にしたい・水によって変質する材料を冷却したい・できるだけ短い時間で冷却したいといった様々なニーズに合わせて、ミストの流量制御や高速冷風などを使いわけた3種類のモードから冷却方法を選択できます。
  3. 割れと水残りの解消
    冷却モードの使い分けにより、水残りや割れといった製品不良を解消できます。
  4. コンパクト
    従来は、数十個の製品を大きなスペースで長時間冷却していました。設置面積が0.7m×0.8mとコンパクトな本開発品では、大きなスペースを必要としません。
  5. 少量多品種生産への対応
    製品を一個単位で冷却できるため、自動車業界で近年求められている、少量多品種生産を目的とした一個ずつ次工程に流す生産方式(一個流し)にも対応できます。

別紙

以上

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