プレスリリース

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電動車の蓄電池を活用した仮想発電所(VPP) V2Gアグリゲーター実証事業の継続実施~電動車蓄電池から電力系統へのV2G実証事業のネクストステップへ~

2019年06月05日
豊田通商株式会社
中部電力株式会社

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豊田通商株式会社(以下、「豊田通商」)および中部電力株式会社(以下、「中部電力」)は、経済産業省 資源エネルギー庁の補助事業である「平成31年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(注1)構築実証事業費補助金」のうち「V2G(注2)アグリゲーター事業」に共同で申請し、補助金の執行団体である一般社団法人環境共創イニシアチブより本年5月30日に交付決定を受け、実証事業を開始します。なお、実証事業は昨年度に引き続き2年目の実施となります。

V2Gは、電動車の車載蓄電池を活用することにより、再生可能エネルギー発電(以下、「再エネ」)出力の変動の影響を抑制する「調整力の提供」や、再エネの余剰電力を蓄電して電力が必要な時間帯に供給する「供給力シフト」を可能とし、再エネの課題を解決できる技術として期待されています。

昨年度は、V2G制御システムを開発し、実際に電気自動車の蓄電池への充電に加えて、電力系統へ供給することによる影響を評価しました。

今年度は、昨年度開発したV2G制御システムに、需給調整試験サーバー(注3)を追加し、中部電力からの需給調整指令を想定した実証環境を構築することに加え、日常的に通勤や業務に使用されている電動車を用いることで、より実環境に近い条件下で実証事業を行います。また、電動車の使用者に運行予定を入力するスマートフォン向けアプリを提供し、運行予定をもとに、車を使用しない時間帯にV2Gを行うことを予定しています。

豊田通商は、アグリゲーター(注4)としてV2G制御システム(ヌービー社(注5)製のV2Gシステムを利用予定)を構築し、電力系統に対して調整力の提供や、再エネの供給力シフト等、電動車の新たな価値の創造を目指します。

中部電力は、一般送配電事業者の立場からV2Gの電力系統への影響評価を行い、新たな調整力の確保に繋がる技術の向上に寄与することで、安全・安価で安定的な電気のお届けを目指します。

(注1)家庭や工場等に点在する太陽光発電等の再生可能エネルギー発電、蓄電池等をネットワークでつなぎ、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組み。

(注2)プラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)や電気自動車(EV)等の電動車の車載蓄電池を活用し、充電に加えて、蓄電した電力を電力系統に供給する技術。

(注3)一般送配電事業者が、電力系統の周波数を一定(50Hz/60Hz)に保つために行う需給調整(周波数制御および需給バランス調整)に、V2Gを活用するため、一般送配電事業者から各アグリゲーターに調整指令を送るための試験装置。

(注4)エネルギーリソースを活用し、発電事業者、一般送配電事業者、小売電気事業者にサービスを提供するビジネスの事業者。

(注5)欧州、アジア、米国でV2G事業を展開する米国のベンチャー企業。世界各国において周波数調整力を提供し、デンマークにおいては2016年に世界で初めてV2Gの商業化に成功している。豊田通商が2017年12月に出資参画している。

(豊田通商株式会社プレスルーム(2017年12月15日)

添付資料

以上

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