プレスリリース

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鋳造製品の不良検査装置「ブローホールチェッカーBC-1(ビーシーワン)」の開発~50%以上の検査時間短縮と、高い省エネルギー性を実現しました~

2020年03月19日
中部電力株式会社
日本ルツボ株式会社

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中部電力株式会社(所在地:名古屋市東区、代表取締役社長:勝野 哲)と日本ルツボ株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:大久保 正志)は、鋳造製品の不良検査装置「ブローホールチェッカーBC-1(ビーシーワン)」(以下、「本開発品」)を共同開発し、4月1日より受注を開始いたします。

自動車部品などの鋳造工程では、溶かしたアルミニウム合金を、精密な金型に高速・高圧で注入し、瞬時に製品を成形する鋳造技術(アルミダイカスト法)が使われています。

溶かしたアルミニウム合金は、金型に注入される際に、空気などを巻き込むことがあり、成形時に空気が残ってしまうと、製品の内部に空洞(ブローホール)が発生し、強度低下などの不良が出ることがあります。

そのため、抜き取り検査工程において、製品が軟らかくなる温度(約530~560°C)まで加熱し、製品内部の空気を膨張させることで製品表面が膨れ、その膨れ具合から、製品の良否判定を行います。

【ブローホールの検査イメージ】

従来の検査では、装置内で熱風を循環させて製品を加熱する方法などが採用されていましたが、製品を約20~30分加熱する必要があり、生産性向上を実現するために、加熱時間の短縮が求められていました。

本開発品は、金属加熱に適した約1,250°Cの中赤外線ヒータにより、製品を直接加熱するとともに、最適な温度制御プログラムを構築することで、従来と比べ、検査時間を50%以上短縮します。

また、立ち上げ時間が短く、製品を直接加熱するため、従来と比べ、高い省エネルギー性も実現します。

あわせて、接触式温度センサーを搭載しており、製品本体の温度を直接測定することができるため、正確な温度で検査を行うことが可能となります。

今後、輸送用機械のお客さまを中心に、本開発品をご提案するとともに、製造技術から製品の品質管理まで、トータルでお客さまの生産性向上に向けた取り組みを支援してまいります。

【本開発品の主な特長】

  • 検査時間の短縮

    金属加熱に適した約1,250°Cの中赤外線ヒータにより、製品を直接加熱するとともに、最適な温度制御プログラムを構築することで、従来と比べ、検査時間を50%以上短縮

    (従来(熱風循環式):約20~30分→本開発品(中赤外線ヒータ式):約10分(注))

  • 高い省エネルギー性

    立ち上げ時間が短く、製品を直接加熱するため、従来と比べ、高い省エネルギー性を実現(約0.5~1kWh(注)/検査1回)

    (注)製品の材質、サイズ、重量により加熱時間、消費電力量は異なります。

【概要図】

<アルミダイカスト法について>

<本開発品について>

【基本仕様・外観】

電源・最大電流 AC200V 3Φ3W 50Hz/60Hz 100A
ヒータ出力 16kW(カーボンヒータ:2kW/本×8本)
圧縮エア 100L/min程度使用(0.5MPa以上)
本体寸法 炉体:W775mm×D475mm×H1,800mm
制御盤:W800mm×D300mm×H1,800mm
設置スペース:W2500mm×D1,000mm
本体重量 260kg(炉体)、130kg(制御盤)
検査可能製品(最大) 寸法:Φ150mm×H80mm
重量:約700g

以上

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