定例記者会見
定例記者会見
2026年3月度定例記者会見 林社長挨拶
2026年03月31日
中部電力株式会社
- 本日、私からは、
- 浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案に関する経済産業大臣および原子力規制委員会からの報告徴収への報告
について、お話しします。
報告徴収への報告
- 当社は、1月5日、経済産業大臣から、原子力規制委員会による浜岡原子力発電所3号機・4号機の新規制基準適合性審査において、浜岡原子力発電所の地震動の評価を不適切な方法で実施していた事案が確認されたとして、電気事業法に基づく報告徴収を受領しました。
- また、1月14日には原子力規制委員会から、本事案について事実関係および原因などの詳細な調査を行うためとして、原子炉等規制法に基づく報告徴収を受領しました。
- これを踏まえ、当社は、本日、経済産業大臣および原子力規制委員会に対し、報告徴収に対する報告を行いましたので、その内容についてお話しいたします。
今回の報告範囲
- 当社は、現在、本事案の事実関係を透明性・公正性を確保した形で明らかにするため、厳格な独立性・中立性を確保した外部専門家のみで構成される調査委員会を設置し、調査していただいているところであります。
- 調査委員会の調査は継続中であり、その内容をお示しできる段階ではありませんが、本日は、本年1月5日の本事案公表時に判明していた事実関係に加え、当社が現在保有している本事案に係る文書や記録類の調査結果などを踏まえて、現時点で事実として認定・報告できる事項と、当社の対応の方向性を報告するものです。
- なお、特定の個人の責任等に関わる記述や事実の認定は極めて慎重に行う必要があることなどから、現時点で事実として認定・報告できる事項は限定的なものとなっております。
- また、本事案が基準地震動における代表波の選定結果などにどのような影響を与えたかについては確認できておりません。
- 詳細につきましては、引き続き調査委員会の調査において明らかにしていただきます。
基準地震動策定に係る業務プロセス
- 基準地震動策定に係る業務プロセスにおきましては、
- 具体的かつ詳細な内容を明確にした個別業務計画を策定していなかったこと
- 地震動評価の際、詳細な評価条件に係る承認文書を作成せず、メールや打合せなどで委託先へ指示をしていたこと
- ライン外専門家による審査資料の技術的なチェックに関するルールが、長期間社内規程類に反映されないまま運用されていたこと
などが判明しました。
方法①、②について
- 当社が選定した代表波225ケースのうち、方法①は、遅くとも2012年頃から2021年度までに少なくとも105ケースで行われていたことが確認されました。
- また、関係者への聞き取りによれば、方法②による代表波の選定は2018年から2019年頃、80ケースで行われていたとのことであり、委託報告書などを確認した結果、2018年度に少なくとも3ケースで行われていたことが確認されました。
- なお、225ケースのうち、方法①、②に該当するか否か判断できる根拠が読み取れず、追加調査が必要なものが77ケースあることから、これらのケース数は変更となる可能性があります。
- 方法①、②ともに、原子力土建部内で行われていたことは確認されておりますが、他の部署を含む行為者・関与者の具体的な範囲は、現時点では確定できておりません。
- 方法①が行われるようになった経緯の詳細は、現時点では不明です。
- 方法②は、2018年5月に、A-17断層を含む内陸地殻内地震について、深さを設定し直して地震動の計算・解析を行う必要が生じた中で行われました。
- その後、プレート間地震における分岐断層や内陸地殻内地震との連動ケースにおける代表波の選定においても行われております。
内部からの複数回の指摘と対応
- 2018年以降、原子力土建部内では、方法①や方法②が審査資料に記載されていないことなどを問題視する指摘が複数回にわたって、繰り返されていましたが、審査資料などが改められることはありませんでした。
対応の方向性
- 次に、現時点で判明した事実を踏まえた対応の方向性についてお話させていただきます。
- 現在、調査委員会による調査が継続しており、現時点で把握できている事実関係は限定的ですが、高い倫理観を持って社会の発展に貢献し、責任を果たすべき企業として、多くの皆さまにご心配やご迷惑をおかけしていることを深く反省し、当社として改善すべき事項は、先行して着実に取り組んでいく必要があると考えています。
- 当社は、ステークホルダーの皆さまから再び信頼される企業へと生まれ変わるため、今後、不適切な事案を二度と発生させないとの強い決意のもと、直ちに「意識・行動の変革」「組織・組織風土の変革」「ルール・仕組みの強化」の3つを柱として、全社を挙げて取り組んでまいります。
- 1つ目の「意識・行動の変革」につきましては、経営層が強力なコミットメントの下、徹底的な意識変革・行動変革に取り組んでまいります。
- 具体的には、全役職員が、当社の存在意義・パーパスを自らの判断・行動の根幹に据え、コンプライアンスを実践し続けることができるよう、今後制定予定の行動規範(Core Values)を礎として、私をはじめとする経営層が率先垂範していくとともに、各階層に対する実践的な教育や啓発を継続して実施してまいります。
- 2つ目の「組織・組織風土の変革」につきましては、原子力本部において外部の目や意見を取り入れる仕組みを導入し、多様な価値観を持つ人財が日常的に開かれた議論を行える組織風土を根付かせ、相互牽制が健全に働く環境を整備するとともに、浜岡原子力発電所と本店との距離感を縮める方策を検討してまいります。
- また、会社全体としても、人事交流の加速や多面観察の更なる活用など組織の透明性・心理的安全性を高める人事制度の導入や運用強化に取り組むとともに、今後を担う若年層らが、将来の中部電力グループがどうあるべきかをゼロから検討・提言し、それを踏まえて具体的な施策を展開してまいります。
- 3つ目の「ルール・仕組みの強化」につきましては、外部目線を取り入れた業務プロセスの整備・明確化、原子力本部長直轄の品質保証組織の新たな設置、リスク評価の精度を上げていくための内部監査の体制強化に取り組んでまいります。
- また、会社全体のリスクマネジメントにおいて、不正リスクを念頭に置き、要因となり得る配属の長期化や業務の属人化などの組織課題が疑われる部門に対するチェックを行うとともに、外部弁護士によるカウンセリングなど第二線が主管部署とともに不正を防止する仕組みを強化してまいります。
今後の対応
- 今回お示しした対応は、まだ、調査途中であるため、方向性の提示に留まっておりますが、今後、調査委員会による調査結果も踏まえ、解体的再構築の観点からさらなる深掘りを行って具体策に落とし込み、再発防止策を策定する予定です。
まとめ
- 最後になりますが、当社のガバナンスやコンプライアンス、組織風土などの課題の洗い出しや、原子力部門の解体的な再構築も視野に入れた対応は、調査委員会の調査を待たず可能なものから着手していかなければならないと考えております。
- 再び信頼される企業へ生まれ変わるため、不退転の覚悟を持ってこれに全力で取り組むことこそが信頼回復に繋がるものと考えており、中部電力のトップとして、社内外のステークホルダーの皆さまに対する私の責任を果たしてまいります。
- 改めまして、本事案により、地域の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまに、多大なるご心配やご迷惑をお掛けするとともに、広く社会の皆さまからの強いご不信を招いていることについて心より深くお詫び申しあげます。
- 私からは以上です。
資料
以上