プレスリリース
中部電力とKDDI、現場業務の効率化・レジリエンスの強化に向け、変電所にて5G共同検証を開始
2020年09月28日
中部電力株式会社
KDDI株式会社
中部電力株式会社(本店:愛知県名古屋市、代表取締役社長:林 欣吾、以下 中部電力)とKDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 誠、以下 KDDI)は、変電所における現場業務の効率化とレジリエンスの強化に向け、5Gを活用した共同検証(以下 本検証)を10月1日から開始します。
両社は、中部電力パワーグリッド株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員:市川 弥生次、以下 中部電力パワーグリッド)の大高変電所と中部電力の研究所(ともに名古屋市緑区)の2拠点に、高速・大容量、低遅延、多接続の特性をもつ5G環境を構築し、本検証において変電所の実環境における5Gの通信性能の検証を行うとともに、ロボット・高精細カメラ・スマートグラスなどを用いた遠隔からの巡視や監視、作業支援などの実運用を見据えた検証を実施します。
本検証のイメージ図
本検証の背景
- 電力業界においては、現場業務のさらなる安全確保や効率化に加え、災害発生時の迅速な設備復旧などが課題となっています。
- 中部電力パワーグリッドでは、改善施策の1つとして、変電所の現場業務について、ロボットによる遠隔監視・遠隔診断などの開発に取り組んできました。
- 一方、従来の無線によるロボットの遠隔操作にはリアルタイム性に課題があり、大量かつ低遅延な情報伝送を必要としていました。
- このたび中部電力とKDDIは、5Gと最先端のテクノロジーにより、さまざまな課題を解決するための検討を開始しました。
本検証の内容
1 期間
2020年10月1日から2021年1月21日
2 概要
本検証では5G環境を構築した変電所および研究所において、大型変圧器や建物構造物などによる通信影響を調査します。また、変電所における遠隔巡視や監視・作業支援などのユースケースを想定した以下の検証を実施し、有用性・利便性を評価します。
3 具体的取り組み
(1)遠隔からの巡視ロボット運転操作
現場業務の効率化や災害時の迅速な情報収集を目的に、5Gの高速・大容量、低遅延性能を活用し、中部電力と三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉山 武史)で共同開発中の巡視ロボットの遠隔運転操作を行います。これにより、リアルタイム性が要求される遠隔からの運転操作の有用性を検証します。
(2)高精細カメラやスマートグラスによる遠隔監視・作業支援
- 5Gの高速・大容量性能を活用し、変電所の確認箇所を高精細カメラで撮影して遠隔監視を行います。これにより、高精細映像による遠隔監視の有用性を検証します。
- 5Gの高速・大容量、低遅延性能を活用し、現場作業者が装着したスマートグラスの視界を遠隔にいる作業指示者に高精細映像で共有するとともに、作業指示をリアルタイムにスマートグラスの画面上へ表示します。これにより、リアルタイム性が要求される遠隔からの作業支援の有用性を検証します。
(3)MEC(注)活用によるAI分析
不審者の侵入監視や設備異常の早期検知、作業員の安全確認などを目的に、低遅延環境にある5GのMECを活用し、カメラからのストリーム映像をAIで解析します。これにより、MEC活用によるAI分析の有用性を検証します。
今後も両社は、5Gを活用し、現場業務の効率化とレジリエンス強化に向けた取り組みを推進していきます。
(注)「マルチアクセスエッジコンピューティング」の略称であり、通信端末に近い場所にサーバを配置することで通信の遅延時間を短縮させる技術。
以上