その他の記者会見

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浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案の調査報告書に関する記者会見

2026年09月14日
中部電力株式会社

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林社長挨拶

  • 基準地震動策定に係る不適切事案をはじめ、度重なる不適切事案の発生により、地域の皆さま、そして多くのステークホルダーの皆さまに多大なるご心配とご迷惑をお掛けするとともに、広く社会の皆さまからの強いご不信を招いたことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。
  • 当社は、本事案に関しまして、今年1月に、当社から独立した外部弁護士のみで構成される調査委員会を設置し、調査の独立性・中立性を確保しつつ、調査に全面的に協力してまいりました。
  • 約8ヶ月にわたり、事実関係の調査・認定、原因分析、再発防止策の提言などを取りまとめていただき、9月11日に調査委員会から報告書を受領しました。
  • 調査委員会の皆さまに対しまして、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
  • 私からは、先日受領しました調査委員会からの内容に対する総括的な受け止めを申し上げたいと思います。
  • 調査委員会の報告書では、
    • 関係規則などを遵守する意識の低下にとどまらず、不適切行為を確信や信念を持って実行するという状況が認められ、「独自の正当化理論」が存在していたこと
    • 当社の他の不祥事事案を見ても、同じような特異な考え方の広がりが懸念されること
    • 高度の専門性により組織内部からの監視・牽制が構造的に困難であったこと
    • ライン外専門家、内部通報(ヘルプライン)などの監視
    • 牽制のしくみが存在していたものの、独立性・客観性の欠如により実効的に機能しなかったこと
    など、コンプライアンス意識の欠如やガバナンス機能の不全、閉鎖的な組織風土などさまざまな観点から非常に厳しい指摘をいただきました。
  • 調査委員会のすべてのご指摘を、極めて厳粛かつ真摯に受け止めております。
  • また、新規制基準適合性審査において、当社の対応や努力では解消し得ない遅延要因があったにもかかわらず、経営層が実情を理解しないまま原子力土建部を叱責したことが圧力として作用し、不適切行為の要因の1つになったとも指摘されており、深く反省しております。
  • 浜岡原子力発電所の安全性の根幹に関わる基準地震動策定において、不適切行為を繰り返しおこなったことは、原子力事業者として決してあってはならないことであり、地域の皆さまからの信頼を失墜させ、事業者としての適格性をも疑われるものであると痛切に感じています。
  • また、内部通報を含め社内から幾度も指摘があったにもかかわらず、結果として私たち経営陣が問題を把握し、是正することができなかったことは、当社のガバナンスと組織風土に重大な課題があったものと考えております。

資料1

設置変更許可申請の取り下げ

  • 当社としては、このたびの調査委員会のご指摘を真摯に受け止め、組織風土や業務プロセスの抜本的な見直しを通じて、課題を改善し、その実効性を確立することで、浜岡原子力発電所の運営事業者として、地域の皆さま、そして多くのステークホルダーの皆さまからの信頼回復が最優先の課題であると考えております。
  • そして、調査委員会の報告の通り、浜岡原子力発電所3号機、4号機の設置変更許可申請資料やその後の審査対応に関して信頼性に重大な疑義が生じている状況において、従前の申請を維持することは適切ではないと判断いたしました。
  • 当社は、浜岡3、4号機の設置変更許可申請を自ら取り下げることを本日の臨時取締役会で決定し、準備が整い次第、原子力規制委員会に対して必要な手続きをおこないます。
  • これまで浜岡原子力発電所3、4号機の新規制基準適合性審査に携わっていただいた原子力規制委員会や原子力規制庁の皆さまには、本事案によりこれまでのご尽力を無にさせることとなり、また、多大なるご迷惑をおかけしておりますことを、改めて深くお詫び申し上げます。
  • 加えて、これまで支えてくださった地域の皆さま、そして広く社会の皆さまからの信頼を裏切り、多大なるご迷惑をおかけしていることについて、深くお詫び申し上げます。
  • 我が国において、電力需要増加や脱炭素、エネルギー安全保障といった課題を解消するために、原子力発電は非常に有効な手段であり、浜岡原子力発電所の重要性、必要性については、何ら変わるものではありません。
  • 当社としては、組織風土や業務プロセスの改善を着実に進め、その実効性の確保に全力を尽くし、地域の皆さま、そして多くのステークホルダーの皆さまからの信頼回復を最優先に取り組んでまいります。
  • そのうえで、決してあきらめることなく、再申請に向けた取り組みを進めてまいります。

資料2

不適切事案に関する再発防止策の方向性

  • 続きまして、「不適切事案に関する再発防止策の方向性」について、お話しいたします。
  • 調査委員会の報告書では、社会や地域からの視点よりも当社内の論理を優先した「独自の正当化理論」が通底する要因として存在し、一部の社員が確信的に不適切行為をおこなったことが指摘されています。
  • これは、経営が法令やルールよりも当社内の論理を優先する考え方を是正できず、コンプライアンスを最優先とする組織風土を確立できなかったことが大きな要因であり、経営の責任として、極めて重く受け止めています。
  • 経営が、実務者に寄り添い、正しい情報を共有し多様な観点から議論を尽くすという、本来果たすべき役割を十分に果たすことができませんでした。
  • その結果、組織が一体となって課題を解決する機能を十分に発揮できなかったことが大きな反省点です。
  • このような組織の機能不全こそが、本事案を発生させた本質的な問題であると考えています。
  • 当社は、この反省を出発点として、二度と同様の事案を発生させないという強い決意のもと、抜本的な改革に取り組みます。
  • 組織の機能不全を抜本的に解決し、ガバナンスおよび組織風土を解体的に再構築するため、経営体制の刷新と経営ガバナンス改革を実行するとともに、
    • 意識・行動の変革
    • 組織風土の変革
    • ガバナンス・牽制機能の変革・強化
    を柱とする経営改革に取り組むことといたします。
  • 「意識・行動の変革」については、企業理念の実現に向けた行動規範(Core Values)を礎とした判断・行動を徹底するとともに、特別役付職基幹人事制度を改定し、コンプライアンスの徹底など役職員に求められる行動を実践できているかを評価、昇降格などに反映させることで、「不適切な行動」は是認しないという経営の意思を制度に反映します。
  • また、制度の実効性を高めるためHRBPを配置するとともに、多面観察をさらに活用します。
  • 「組織風土の変革」については、原子力本部のミッションとして、「原子力安全を最優先とした安全文化の再構築」、「コンプライアンスの遵守」、および「信頼回復」を再設定し、組織名称を「原子力安全推進本部」に改めます。
  • また、グループ全体の心理的安全性を基盤とした組織風土や企業文化への抜本的な改革をおこない、前向きな挑戦、誠実な意思決定がおこなわれる組織風土を構築するため、社長直轄の組織風土・企業文化改革組織を新設します。
  • 取締役会および指名・報酬等検討会議の議長を社外取締役の嶋尾正氏に担っていただくことで、経営の監督機能と透明性を高め、外部の客観的な視点を取り入れながら、経営層のガバナンス改革を一層推進してまいります。
  • 「ガバナンス・牽制の変革・強化」については、原子力部門内のガバナンス・コンプライアンスの実効性を高めるため、原子力ガバナンス推進部を新設するとともに、原子力品質保証に関する統制・けん制・支援機能の強化を図るため、原子力品質保証組織を新設します。
  • また、原子力部門の閉鎖性・独善性を排除し、多様な視点を導入するため、原子力部門の本部長、原子力ガバナンス推進部長、原子力品質保証部門アドバイザーに他部門・外部人財を配置するとともに、原子力部門と他部門の人財交流を加速します。
  • 内部監査では、不正の可能性も含めた網羅的なリスクの把握をするとともに、客観的な視点を入れるため、新たに外部アドバイザー活用のしくみを取り入れます。
  • 加えて、内部通報への対応強化として、事案の内容・重大性に応じてより適切・慎重な調査対応をおこなうため、不正調査を専門とする外部弁護士・専門業者を活用して相談窓口を再構築するとともに、調査方針や調査結果等については複数の目で慎重な議論・判断をおこないます。
  • さらに、執行側から独立した監査等委員会に内部通報(ヘルプライン)窓口を新設します。
  • 最後に、失われた信頼を回復するためには、これまで以上に地域の皆さまとの対話を重ね、その声を真摯に受け止め、事業運営に反映していくことが不可欠であると考えております。
  • このため、静岡地域本部を設置するとともに、浜岡地域事務所を発電所敷地外に移転させ、現場課題の広域化に対する即応力・機能強化を図り、失った信頼関係の構築に一歩ずつ取り組んでまいります。
  • なお、今回の取り組みがすべてではありません。
  • 当社は、「自分たちは正しいことをしている」という特異な考え方やそれに基づく行為について、個々の役職員レベルで根本から改めるとともに、社内における広がりを抑え、是正していくことが喫緊の課題であるというご指摘を、極めて真摯に受け止めております。 調査委員会のご提言を踏まえて、本事案の真因を改めて分析して具体的な再発防止策に落とし込み、着実に実行してまいります。

資料3

経営責任の明確化

  • 次に、本事案の経営責任についてお話します。
  • 当時および現在の経営陣が、本事案を早期に把握し改めることができないまま、今に至りましたことは、深く反省すべきであり、決して一部の部門、従業員だけの問題ではなく、我々経営陣も含めた組織全体の問題であると受け止めています。
  • 私自身、経営トップとして重い責任を感じており、誠に痛恨の極みであります。
  • また、本事案の他にも、昨年から原子力の調達や廃止措置に係る不適切事案が相次いで発生しており、経営トップとして、原子力部門の閉鎖性を排除するガバナンスや、コンプライアンス・安全を最優先とする組織風土を作り上げることができなかったことは、忸怩たる思いであります。
  • これらの経営責任を明らかにするため、私は今月末、9月30日をもって辞任することといたしました。
  • 私の後任につきましては、人事会議および指名・報酬等検討会議における審議を経て、本日の臨時取締役会において、専務の安井稔さんを選定いたしました。
  • 安井さんは、これまで中部電力ミライズ株式会社の事業戦略本部長、株式会社シーエナジーの代表取締役社長、当社のグループ経営推進部統括、アライアンス推進部長を務めるなど、当社事業に精通し、山積する経営の諸課題を解決するに十分な判断力と実行力を兼ね備えております。
  • そして、当社にとってこれまでにない非常に厳しい局面を乗り越えるために最もふさわしい人財であり、私自身も、この難局に対峙し今後の中部電力グループ全体を力強くけん引してくれる人物は、安井さんを置いて他にはいない、と考えております。
  • 私は、先ほどご説明申し上げた再発防止の取り組みの道半ばで社長を退任することとなりますが、経営改革と組織風土改革への強い思いとこれまでの取り組みを、責任をもって確実に新社長に引き継ぎます。
  • 今後は、新社長の強いリーダーシップのもと、全社一丸となって地域の皆さま、そして広く社会の皆さまに再び信頼していただける新しい中部電力を作り上げてほしいと心から願っています。
  • 次に、相談役の水野、会長の勝野についても、本事案の責任をとり、それぞれ今月末、9月30日をもって辞任することとし、当面の間、相談役、会長は空席とすることといたしました。
  • なお、本事案に関係するその他の役職員の責任・処分につきましては、今後報告書の事実認定を精査したうえで検討し、社内規程に基づき厳正に対処してまいります。
  • 最後になりますが、このような事態を招き、地域の皆さま、そして多くのステークホルダーの皆さまに多大なるご心配とご迷惑をお掛けするとともに、広く社会の皆さまからの強いご不信を招いたことにつきまして、改めまして、心より深くお詫び申し上げます。 私からは以上でございます。

資料4

勝野会長挨拶

  • この度は、地域の皆さま、そして広く社会の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をお掛けするとともに、ご不信を招きましたことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。
  • 先ほど、林からも話がありました通り、9月11日に調査委員会より報告書を受領しました。
  • 調査委員会の皆さまに対しまして、重ねて感謝申し上げます。
  • 報告書では、事案の発生経緯や背景要因に加え、当社の組織運営やガバナンス、コンプライアンス意識に関するさまざまな課題が指摘されており、私自身もその内容を大変重く受け止めております。
  • 今回の事案は、2012年頃から長期間にわたり継続していたものであり、その期間には私自身が取締役副社長、代表取締役社長として経営の中枢を担っておりました。
  • 当時の経営トップとして、本事案の発生や継続を防止できなかったこと、また早期に把握し是正することができなかったことについて、極めて重い責任があると認識しております。
  • こうした認識のもと、私自身も経営責任を明確にするため、会長職を辞任することといたしました。
  • 私は辞任しますが、調査委員会からの指摘や提言を真摯に受け止め、組織風土の改革とガバナンスの強化、そして再発防止策の徹底に全力で取り組み、失われた信頼の回復に向けて歩み続けてほしいと強く願っております。
  • 改めまして、地域の皆さま、そしてお客さま、株主・投資家の皆さま、関係自治体の皆さま、広く社会の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をお掛けするとともに、当社に対する信頼を大きく損なう結果を招きましたことにつきまして、深くお詫び申し上げます。
  • 私からは以上です。


    以上

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