成果・取り組み紹介

世界初!調湿剤にイオン液体を採用した液式調湿空調機「モイストプロセッサー」の開発

背景と課題

液式調湿空調機は、高い省エネルギー性で調温・調湿ができるだけでなく、高い除菌性能を備えていることから、病院や食品工場などを中心に導入されています。従来、調湿剤には塩化リチウムが採用されてきましたが、鉄などの金属を腐食するため、耐腐食性に優れたチタニウムなどの高価な金属材料が熱交換器に必要で、低コスト化が望まれていました。

開発の目的

衛生環境および調温・調湿が必要な様々な用途で利用いただき、省エネ・コスト低減・付加価値向上に貢献することを目的として、安価かつコンパクトな液式調湿空調機を開発しました。

仕様

液式調湿空調機は、外気を液体の調湿剤で濡れた気液接触器に直接接触させることで空気中の水蒸気を吸収・放出させ、空気の湿度および温度を調整する機器で、処理機と再生機から構成されます。処理機は処理した空気を室内に供給する役割を果たし、調湿剤の温度と濃度を調節することにより任意の温度と湿度の空気を作ることができます。液の冷却や加熱には、ヒートポンプ、地下水、排熱、太陽熱などの様々な熱源が利用できます。
液式調湿空調機は、除湿と冷却または加湿と加温を同時に行うことができるだけでなく、高い除菌性能を備えており、衛生管理が必要な病院や食品工場などを中心に導入が進んでいます。調湿剤を処理機と再生機で循環させ、その温度と濃度を制御することで、建物内に任意の温度と湿度を供給します。

液式調湿空調機の概要
液式調湿空調機の概要
モイストプロセッサー外観
モイストプロセッサー外観

モイストプロセッサーの主な仕様

項 目 性 能
処理機・再生機サイズ(mm) H2,000×W1,600×D1,830
除湿能力(kg/h) 67.5
加湿能力(kg/h) 68.6
定格風量(m3/h) 4,500
処理機・再生機製品重量(kg) 1,620

製品の特長

  • 調湿剤にイオン液体(世界初)を採用することで、汎用的な金属(鉄、ステンレス、アルミニウム)を使用でき、製造コストを20%削減
  • 高い省エネルギー性能
  • 従来の調湿剤(塩化リチウム)と同等の調湿性能と除菌性能

解説動画

適用先

  • 産業用調湿工程(塗装工程、製薬工程、食品工場など)
  • 介護老人保健施設、病院など

共同開発先

ダイナエアー株式会社

開発者のひとこと

本開発機器はラボおよびフィールドでの試験を通して、安定した調湿性および省エネ性を確認しており、ダイナエアー(株)より2020年度より発売を開始しています。調湿ニーズの高いお客さまの省エネルギー・省CO2・省コストに貢献できます。

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