成果・取り組み紹介

ドローン自動巡視アプリの開発~自律飛行ドローンを活用したレジリエンス強化への取り組み~

背景と課題

電柱や電線、鉄塔をはじめとする電力設備の巡視は主に目視により行われており、災害時には倒木や土砂崩れなどで進入困難な場所では、設備の巡視に時間を要していました。
カメラを搭載したドローンを活用し、進入困難場所の先にある設備の被害状況を把握することで、早期復旧を図ることが期待されています。しかしながら、ドローンの操縦には、ドローン本体と搭載カメラの両方を飛行中に操作する必要があり、操縦者には高い技能が要求されていました。

開発の目的

ドローン操縦者の操縦負担を軽減すべく、ドローンが容易に且つ自動で対象の設備へ飛行を行えるアプリケーションを開発しました。アプリの画面地図上にて、巡視したい電力設備を選択し、飛行パラメータを確認後、実行ボタンを押すだけで、目的の設備へドローンが自動で飛行し、設備を中心に回りながら外観の撮影ができます。

仕様

  • 動作イメージ
電力設備の自動巡視アプリ 動作イメージ
電力設備の自動巡視アプリ 動作イメージ

アプリの特長

  • 簡単な飛行計画の策定
    電柱や鉄塔などの電力設備の緯度経度などをあらかじめアプリにインポートしておくことで、画面地図上に電力設備や電線のつながり、設備の名称が表示されます。あとは、巡視したい設備をタップ選択するだけで、簡単にドローンの飛行計画が策定できます。
    飛行計画の策定画面
    飛行計画の策定画面
  • ドローンの飛行高度の安全を一目で確認
    1で策定した飛行計画に基づく、ドローンの飛行高度を断面的に一目で確認できることで、飛行前の危険の有無の判断を支援します。
    ドローンの飛行高度の確認
    ドローンの飛行高度の確認
  • 上空360°からの外観自動撮影
    対象の設備上空へ自動飛行し、設備をあらゆる角度から撮影することで異常箇所の発見に寄与します。
    設備を中心に円運動しながら電柱の外観を自動撮影
    設備を中心に円運動しながら電柱の外観を自動撮影
    設備を中心に円運動しながら鉄塔の外観を自動撮影
    設備を中心に円運動しながら鉄塔の外観を自動撮影
  • 仮想ポイント機能
    仮想ポイント機能は、アプリにインポートした設備以外の場所を巡視経路として作成したいケースを想定し、開発した機能です。画面地図上を長押し、地上高を設定するだけで容易に仮想ポイントが作成できます。これにより、電力設備のない任意の場所への自動飛行巡視も可能となります。
    飛行させたい任意地点の地上高を入力して仮想ポイントを作成
    飛行させたい任意地点の地上高を入力して仮想ポイントを作成
  • ドローンの「レベル2」飛行に対応
    本アプリの運用は、国土交通省が示す小型無人機(ドローン)の飛行レベルにおいて「レベル2」該当します。レベル3以上の飛行検証にも取り組んでいます。

プレスリリース

解説動画

適用先

  • 土砂崩れ箇所や地上からの人の立ち入りでは危険が伴う箇所などにおける電柱や鉄塔の巡視

開発者のひとこと

現場での使用者の声を踏まえ、ドローンを活用した自動巡視のシステムのさらなるバージョンアップに取り組み、レジリエンスの強化に貢献していきたいです。

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