宮岡 俊

RESEARCHERS

電力技術研究所

宮岡 俊

SHUN MIYAOKA

PROFILE

所属 電力技術研究所
研究・専門分野 計算力学、材料強度学、機械工学
学位 学士(機械工学) 福井大学
趣味・好きなこと 音楽、ドライブ、バイクツーリング、登山、DIY、ゴルフ
研究キーワード 計算力学、FEM、材料強度、寿命評価、タービン、配管振動、振動抑制

(注)2026年1月取材時

宮岡さんの専門分野を教えてください。

私の専門分野は、機械工学の中でも「計算力学」と呼ばれる分野で、部材や構造物の損傷をコンピューター上で再現・予測する研究をおこなっています。
発電設備や配管、機械構造物などは、長く使用をするうちにどこかで亀裂が入り、最終的には破断に至る可能性があります。私は、そうした「どこに、どのくらいの時間で破壊に至るのか」を計算によって再現することに取り組んでいます。
コンピューター上で破損しやすい箇所が特定できれば、点検すべき箇所を絞り込み、点検作業の手間や時間を減らすことができます。

さらに、計算は点検作業だけでなく、部材の寿命評価にも活用しています。
寿命評価の観点では、まだ使える部材を取り替えてしまうのは、資源的にもエネルギー的にももったいないですよね。たとえリサイクルする場合でも、そのための電力が必要となり、エネルギーコストやエネルギーセキュリティの面でメリットは大きくないんです。
そこで、計算によって適切な交換タイミングを把握することで、部材をこれまで以上に長く、無駄なく活用することが可能になってきています。

中部電力でこの分野に携わろうと思ったきっかけは?

宮岡さん

幼い頃から、ものの作られ方やしくみに興味があったんです。
自分で作ってみて、思った通りに動かないと、「なんでだろう?」と理由を考えて、いろいろ工夫して試すことを楽しむ少年でした。うまく直せたときのうれしさは、今の研究につながる原体験になっていると感じます。

大学では機械工学を学ぶ中で、材料力学や計算力学に出合い、コンピューター上で破壊現象をシミュレーションできることを知ったことが、この分野を志す大きなきっかけになりました。壊れた原因を理屈で説明できる、その“しくみがわかる感じ”に、とても魅力を感じたんですよね。

社会人になってからは、さまざまな業種に派遣される技術者として働きました。中部電力の仕事もそのひとつです。
仕事としてかかわる中で、もっと研究というかたちで深く追求したいという思いが強くなっていき、それが中部電力なら実現できるのではないかと思い、研究者として入社しました。
大学時代から取り組んできた分野に、今も仕事として継続して関われていることは、本当に幸せなことだと感じています。

現在、どんな研究に取り組まれているのでしょうか。

宮岡さん

現在は、主に2つのテーマで研究を進めています。

1つ目は、発電設備で使われる部品の破壊過程や、余寿命(あとどれくらい使えるのか)を見極める研究です。
運転中にどんな負荷がかかって、どこが損傷しやすいのかをコンピューターの中で再現して調べています。
たとえばガスタービンブレードなどで高温環境で長く使うと起きる「クリープ」という変形についても、起こりやすい部分を計算で特定して、材料試験の結果と合わせて余寿命を評価しています。こうした研究を通して、部品を安全に、そして無駄なく使い続けるための判断に役立てています。

そして2つ目が、同僚の研究員と一緒に取り組んでいる、配管の“振動を抑える”研究です。
設備は起動したり運転条件を切替えたりすると振動が大きくなりやすく、これが繰り返されると配管の破断や損傷につながることがあります。
そこで私たちは、現場でセンサーを使って実際の振動を測り、そのデータから対策を自動で提案できる「配管振動抑制自動提案システム」を開発しました。コンパクトで扱いやすく、実際の配管の動きをしっかり捉えられるのが特長です。今後は、非接触での測定や遠隔でも使えるように研究を広げていきたいと思っています。

日頃の研究の中で醍醐味に感じる部分はなんですか?

やっぱり一番の醍醐味は、計算が実験や実機ときれいに一致したときですね。「よし、上手く再現できた!」という実感があって、思わずうれしくなります。
それと、現場だけの観察では理由がわからないような破損について、計算で現象を再現して「こういうしくみで壊れたんです」と説明できたときも、とてもやりがいがあります。相手の方に喜んでもらえたり、役に立てたと感じられる瞬間は、本当に励みになりますね。

今後の夢や目標について教えてください。

将来的には、現場で起きている現象を、できるだけすべてコンピューターの中で再現できるようにしたいと思っています。
例えば、発電所の機器の運転条件が変わったときに、「どこが、どのくらいの時間で壊れてしまうのか」をシミュレーションして、事前に分かるようにする。いわば、ものが壊れるしくみを“丸ごと理解する”究極の計算ですね。
そうした技術をしっかり確立して、実際の現場で役立ててもらえる形にすることが、私の目標です。

宮岡さん

技術報告(技術開発ニュース)

研究内容(テクノフェアポスター)

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