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浜岡1号機配管破断の原因と対策

運転中に定期的におこなう作動試験の際に、配管の一部が破断し、蒸気が建物内に漏れました。

元弁が自動的に閉まり、蒸気の漏れは、約30秒後に止まりました。
なお、周辺環境への放射能の影響はありませんでした。

2001年11月7日、非常用炉心冷却装置(注)の1つである「高圧注入系」が正常に作動するかを確認するため、定期的に実施している作動試験を行ったところ、配管の一部が破断し、原子炉建屋の中で放射能を含む蒸気が漏れました。 しかし、検出器が蒸気漏れを検出し、30秒後に自動的に元弁が閉まったことにより、漏れは止まりました。

(注)非常用炉心冷却装置:原子炉の空だきを防ぐための非常用の注水装置です。全部で5系統あり、それぞれが独立していて、このうち1つが使えなくなっても、原子炉を冷却できるようになっています。

【図解】浜岡1号機の配管破断事故の箇所

配管内にたまった水素が急速に燃え、大きな圧力がかかって破断しました。

水素がたまり、さらに高温蒸気の流入(ポンプの起動)があると、着火・燃焼し、破断に繋がります。

調査や解析から、破断は配管にたまった水素が急速に燃焼し、大きな圧力が発生したため起きたことがわかりました。

破断が起きた推定メカニズム。高圧注入系の作動試験で、蒸気の圧力が変動しました。たまっていた水素と酸素の層に、高温の蒸気が流れ込んで、着火しました。その際、白金などの貴金属が水素を着火しやすくした可能性があります。水素が燃え、配管内側で大きな圧力が発生しました。原子炉内の水は、放射線を受けると、ごく一部が水素と酸素に分解され、蒸気とともに原子炉の外に運ばれます。

配管の中に水素がたまらないようにしました。

1号機は配管を2002年10月に撤去しました。2、3号機は仕切弁を2002年1月までに設置しました。

水がたまらないようにする対策l。(1)配管の撤去の例(1号機)。余熱除去系蒸気凝縮系は、原子炉の熱を取り除くために使用するものです。この系統がなくても他の系統で代替できることから、当該配管を撤去しても安全上問題はありません。(2)仕切り弁設置の例(2、3号機)。仕切弁を設置しました。

4号機には建設時から余熱除去系蒸気凝縮系配管がなく、該当する箇所はありません。

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