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浜岡2号機点検用水抜き配管からの水漏れの原因と対策
点検用水抜き配管(注)から水が漏れていることを発見しました。
2002年5月24日原子炉を起動し、途中段階での状況監視・点検をおこなっていた5月25日2時20分頃、点検用水抜き配管から水が漏れていることを発見しました。このため、詳細な調査をおこなうこととし、5月25日4時34分に原子炉を停止しました。
なお、水漏れによる周辺環境への放射能の影響はありませんでした。
(注)点検用水抜き配管:点検時に弁の下部にたまる水を排出するための配管です。
溶接部に疲労割れができたためでした。
疲労割れは、点検用水抜き配管が共振(注1)し、強い力が繰り返し加わり起こりました。
疲労割れは、原子炉停止時の限られた運転(注2)時に発生する母管の振動に点検用水抜き配管が共振し、溶接部の下端部に繰り返し強い力が加わって起きました。
疲労割れが起きた溶接部の下端部は、振動による力が集中しやすい形状でした。
(注1)共振:すべての物体には、それぞれ最も振動しやすい振動数(固有振動数)があります。この固有振動数と同じ振動を加えると、もともとの振動より大きな振動となります。この現象を共振といいます。
(注2)原子炉停止時の限られた運転:原子炉の水温を均一に上昇させるため、1台の余熱除去系ポンプにより、低圧注水系の2つの系統を経由して原子炉の水を循環する運転です。累積の運転時間は50日程度でした。
溶接部に加わる力の低減を図りました。
配管の支持金具の取付け位置を変更するなどして、振動による溶接部に加わる力を低減するようにしました。
疲労割れは、原子炉停止時の限られた運転(注2)時に発生する母管の振動に点検用水抜き配管が共振し、溶接部の下端部に繰り返し強い力が加わって起きました。
疲労割れが起きた溶接部の下端部は、振動による力が集中しやすい形状でした。
すべての類似箇所について詳細な表面観察調査と、疲労評価をおこない、必要箇所の対策を実施しています。
疲労割れの発生は、間欠的におこなわれる運転時の共振が主な原因でした。2号機のこのような原因にかかわるすべての配管について、表面観察などの詳細な検査と疲労評価を行い、その結果、必要な箇所について、溶接方法の変更や支持金具の取付け位置の変更などの対策をおこないました(2002年12月)。
2号機以外の類似箇所についても同様の対策をおこなっています。