マテリアリティの特定プロセス
中部電力グループは、企業の社会的責任を果たし、地域・社会の持続的発展への貢献を通じて、中長期的な企業価値向上を実現したいと考えています。
そのため、日頃のIR活動や従業員との対話等を通じた社内外のステークホルダーとの相互コミュニケーションを通じて得られた意見も踏まえ、ステークホルダーにとっての重要度と利益・コストや社会的評価、事業戦略との整合性といった、中部電力グループにとっての重要度の2つの視点から重要性評価・分類を行い、重要課題として整理し、CSR推進会議、取締役会を経てマテリアリティ(重要課題)として特定しています。
マテリアリティに対応する指標・目標を定め、PDCAサイクルによる定期的なモニタリング(半期に1回)と社会情勢や経営環境の変化を踏まえて見直しを行いながら、課題解決に優先的に取り組んでいます。

- 【CSR宣言】社会からの期待にお応えし責任を果たす
- 【マテリアリティ】CSR宣言で重視している相互コミュニケーションを通じて得られたステークホルダーにとっての重要度と、事業を実践するうえでの重要度の双方の観点からマテリアリティを特定
- 「E」環境
- お客さま・社会とともに進める脱炭素化
- 原子力発電の安全性向上・活用促進
- 脱炭素社会に向けた次世代ネットワークの構築
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- 「S」社会
- 地域・社会への貢献
- お客さま満足の追及
- DXを活用した業務変革・新たな価値創出
- 人的資本への投資
- 企業価値向上に向けたグローバル事業の展開
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- 「G」ガバナンス
- コンプライアンスの徹底
- グループ会社含むガバナンス・リスク管理の強化
- レジリエンス・大規模災害対応力の強化
- 「E」環境
- 【PDCA】マテリアリティ毎に短期・中長期といった時間軸を意識したKGI/KPIを設定し、モニタリングを実施
- 中長期的な企業価値向上

- 【課題の抽出】 SDGsの掲げる目標、ISO26000に定める基準、GRI・SASBなどのESG(環境・社会・ガバナンス)に関する国際的ガイドラインやESG格付を参考に、網羅的に、75の個別課題(イシュー)を抽出
- 【重要性評価】 抽出した個別課題に対し、ステークホルダーおよび当社グループ経営の視点から重要性評価・分類を行い、重要課題として整理
- 【妥当性の確認】 重要課題について、社外専門家のレビュー、経営層との意見交換を通じて、妥当性を確認
- 【重要課題の特定】 妥当性を確認した重要課題を、CSR推進会議(CSR推進に係る重要事項について経営層で審議するため、社長を議長として2021年10月に設置)、取締役会を経てマテリアリティとして特定
重要性評価の手法

ステークホルダーにとっての重要度
CSR宣言における6つのステークホルダーの視点で重要度を評価
- お客さま
- 株主・投資家
- 地域社会
- 地球環境
- ビジネスパートナー
- 従業員
上記の観点で重要度を評価
重要性評価のイメージ
- 重要課題
- ステークホルダーにとっての重要度:中かつ当社グループにとっての重要度:中
- ステークホルダーにとっての重要度:中かつ当社グループにとっての重要度:高
- ステークホルダーにとっての重要度:高かつ当社グループにとっての重要度:中
- 最重要課題
- ステークホルダーにとっての重要度:高かつ当社グループにとっての重要度:高
マテリアリティのリスク・機会、対応の目標・実績

マテリアリティ | リスク | 機会 | 主な指標・目標 | 達成時期 | 2024年度実績(進捗状況の評価)※5 | 主な関連ページ | |
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「E」環境 | お客さま・社会とともに進める脱炭素化※1 | エネルギー政策の見直し | 脱炭素化への強い社会的要請 | 販売由来のCO2排出量削減▲50%(2013年度比)約3,250万t 再エネ拡大 320万kW |
2030年 2030年頃 |
2013年度比▲2,425万t(2013年度比約38%削減) 113万kW(前年比+21万kW) |
P38-45 P56-57 |
原子力発電の安全性向上・活用促進 | 新規制基準適合性確認審査の遅延 | GX実現に向けた基本方針 | 浜岡原子力発電所の再稼働 | 早期 | ・3,4号機については原子力規制委員会による新規制基準への適合性確認審査を受けており、2023年9月に基準地震動が、2024年10月に基準津波がおおむね妥当との評価を受け、審査が大きく前進 ・2024年12月よりプラント審査が開始 |
P26, 52-55 | |
脱炭素社会に向けた次世代ネットワークの構築 | 再生可能エネルギー大量接続に伴う潮流の複雑化等による安定供給への懸念 | 再生可能エネルギー導入ニーズの高まり | ・地域電力需要予測(DFES)を用いた設備計画立案 ・コネクト&マネージ実現に向けた取り組みの確実な実施 |
2023〜2027年度 | ローカル系統におけるノンファーム型接続運用開始に伴う平常時の混雑解消を目的とした出力制御の実施 | P58-59 | |
「S」社会 | 地域・社会への貢献※2 | 人口減少や経済成長の鈍化などに伴う地域コミュニティの希薄化 | コミュニティ課題解決に対するニーズの高まり | ・「新しいコミュニティの形」の提供 ・新たなサービスの開発 |
2024年度 | 電力スマートメーターの電力使用実績データを活用した、国内初となる自治体向けのフレイル検知サービス「eフレイルナビ」の提供を2023年4月より開始し、2024年度は13自治体で導入 | P66-67 |
お客さま満足の追求 | 競合他社との競争激化 | 多種多様なサービスに対するお客さまニーズの高まり | お客さまの声を反映した業務改善 | 毎年度 | ・「お客さまの暮らしを豊かに」を実現する新たなサービス提供(事例)「カテエネBANK」「カテエネ公式アプリ」のリリース ・「お客さま脱炭素パートナー」に向けた取り組み (事例)ミライズエネチェンジを設立し、EV充電サービスを提供 |
P60-61 | |
DXを活用した業務変革・新たな価値創出 | DXによる新たな働き方や先端技術への対応遅延 | デジタル技術を活用した業務の変革 | 予測精度の維持・向上など継続的にAIモデルを活用するための支援体制・AIモデル開発・運用基盤整備開始1件 | 2025年度 | ダム・水力発電所の運用ノウハウ活用等の業務ニーズに対応した生成AI利用環境を構築し、業務適用を開始 | P72 | |
人的資本への投資※3 | ・事業環境の変化に伴う人的資源のありたい姿と現状のギャップの拡大 ・労働人口減少に伴う人財獲得競争激化 |
安定供給の進化・事業領域拡大に必要な多様な人財の活躍 | エンゲージメントの向上「A」以上 | 2025年度 | Aランク | P31-37 | |
男性育児休暇取得率100% | 2025年度 | 102.7% | |||||
企業価値向上に向けたグローバル事業の展開 | 海外の政治・経済情勢不安(カントリーリスク増大) | 世界的な脱炭素事業への関心の高まり | 累積投資額4,000億円程度(2021〜2030年度)利益200億円程度の実現 | 2030年度 | (活動事例) 米国SMR開発企業NuScale Powerへの出資完了 | P64-65 | |
「G」ガバナンス | コンプライアンスの徹底※4 | コンプライアンスに関する社会的信用の低下 | ステークホルダーの信頼獲得 | 当社グループ一体でのコンプライアンス推進施策の実施 | 毎年度 | ・ヘルプライン、中電グループ・共同ルブラインの適切な運用(相談件数124件) ・当社グループ向けコンプライアンス教育(研修・講演会等)の実施 |
P49, 89-90 |
グループ会社含むガバナンス・リスク管理の強化 | ・子会社等に起因するグループ全体の信頼低下 ・サイバー攻撃やITシステムの不備 |
意思決定の公平性・透明性の向上 | 取締役会の実効性評価の確実な実施と継続的な改善 サイバー攻撃における業務影響0件 |
毎年度 | ・第三者機関からの評価を受けることを前提に、監査等委員会設置会社に移行したことを踏まえたアンケートを実施 ・適切な意思決定水準の設定による執行側への権限委譲を進め、執行と監督の分離の一層の深化を図るとともに、監査等委員が取締役会における議決権を有することにより、監督機能の実効性を強化 ・専門家との議論や海外視察を実施し、知見獲得の機会を設けることで、経営方針・戦略策定等の審議を充実化 サイバー攻撃における業務影響0件 |
P80-88, 91 P92 |
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レジリエンス・大規模災害対応力の強化 | 自然災害の激甚化 | ・レジリエンス意識の高まり ・安定供給ニーズの再認識 |
東京中部間連系容量90万kW拡大(210万kW→300万kWへ増強) | 2027年度 | 東京中部間連系90万kW拡大に向けて下記工事を予定どおり進行中(工事進捗率) 東清水変電所FC増設:62% 静岡変電所変圧器増設:10% 東栄変電所変圧器増強ほか:56% |
P58-59 |
※1 再生可能エネルギーの促進、脱炭素技術をはじめとした新技術の開発・社会実装、環境経営の実践を含む
※2 新しいコミュニティづくり、循環型社会の実現を含む。なお、産学連携等の地域・社会課題の解決については、上記マテリアリティ詳細リンクを参照
※3 多様な人材の確保・育成・安全・健康を含む
※4 腐敗防止、人権の尊重含む
※5 次の三段階で評価:目標通り、目標をやや下回る、目標を下回る
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