中部電力グループの再生可能エネルギー 記事

中部電力グループ初の地熱発電「奥飛騨温泉郷 中尾地熱発電所」

中部電力グループ初の地熱発電「奥飛騨温泉郷 中尾地熱発電所」

地中深くから取り出した蒸気でタービンを回す「地熱発電」は、昼夜・天候問わず24時間発電でき、安定した発電量を得られることがメリットです。

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷の豊富な地熱資源を利用した、中部電力グループ初の地熱発電所、それが「奥飛騨温泉郷 中尾地熱発電所」(出力1,998kW)です。

中部電力グループの株式会社シーエナジーが、東芝エネルギーシステムズ株式会社と共同出資する「中尾地熱発電株式会社」にて、現在建設中です。(2022年度下期運開予定)
地元の温泉文化と地熱発電の共存共栄を目指しながら、開発に取り組んでいます。

ダブル・フラッシュ発電方式

「奥飛騨温泉郷 中尾地熱発電所」は、地下から噴出される高圧蒸気と、それと共に噴出される熱水を減圧沸騰させた低圧蒸気の2種類の蒸気を、蒸気タービンに導いて発電するダブル・フラッシュ方式を採用しています。ダブル・フラッシュ方式は、一般的なシングル・フラッシュ方式と比較して約20%効率が高く、本方式を採用する発電所としては世界最小規模となります。

しくみ

ダブルフラッシュ発電方式のしくみ
  1. 生産井を掘り、地熱貯留層から地熱流体(蒸気・熱水)を取り出す。
  2. 汽水分離器で地熱流体を分けて、蒸気は蒸気タービンへ、熱水は減圧気化器に送る。
  3. 高圧の熱水を減圧気化器で圧力を下げると一部が沸騰するので、2次蒸気として蒸気タービンに送り、残った熱水は中尾温泉に配湯する(計画)。
  4. 1次蒸気と2次蒸気を復水器に向かって膨張させて蒸気タービンを回転、発電する。
  5. 発電し終えた蒸気を、復水器で冷却塔からの冷却水を吹き付けて温水に変える。
  6. 温水を冷却塔に送って温度を下げてから、復水器に循環させて蒸気の冷却に使用する。

参考

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