その他の記者会見

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「株式会社JERA」(呼称:ジェラ)の設立について 中部電力・東京電力 共同記者会見

2015年04月15日
中部電力株式会社

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垣見専務挨拶

本日、東京電力と中部電力は本年2月9日に締結した合弁契約に基づき、包括的アライアンスを実施する新会社を4月30日に設立することを決定いたしました。まずは、私より、包括的アライアンスの目的について、お話しいたします。

東京電力と中部電力は、これまで低廉な電気を安定的にお客さまにお届けするという電気事業の使命を達成するとともに、自由化以降の競争環境に適応するため、燃料上流から発電までのバリューチェーンの各事業に投資し、投資規模・事業領域の拡大を図ると同時に、オペレーション能力の高度化を目指してまいりました。

今回のアライアンスも、こうしたお客さまへの低廉な電気を安定的にお届けするというユーティリティの使命を踏まえて行うこととしています。

両社は、競争力強化に向けて同じ戦略的目標を設定しつつも、東京電力は上流権益の取得など事業領域の拡大に先んじて取組み、その後オペレーションの高度化へ、中部電力はトレーディングによる最適化などオペレーションの効率化に先行して取組み、その後上流投資へと、それぞれ異なるアプローチでゴールを目指してきました。

今般、異なった道筋からアプローチを続けてきた両社が、新会社を設立することにより、互いに先行して取り組んだ領域での強みを持ち寄り、事業を開始できるメリットがあると考えております。

両社は、新会社の活動を通じ、お客さまに対する国際競争力あるエネルギー供給を安定的に行うとともに、両社グループの企業価値を向上させていきます。

垣見専務挨拶

私からは、新会社のビジネスモデルと目指す姿などについて、お話しいたします。

新会社は、世界で戦うことのできるグローバルなエネルギー企業として、国際競争力ある価格でエネルギーを安定的に供給するとともに、両社グループの企業価値を向上させるという大きな使命を担っております。

私たちは、この使命を果たすためには、「燃料を自ら調達し、自ら消費し発電し販売するという事業内容を持つ強み、いわばユーティリティとしての強み」を活かしたグローバルなエネルギー会社としての新しいビジネスモデルを構築していく必要があると考えております。

具体的には、
一つ目として、燃料上流・調達から発電に至るまでのバリューチェーン全体を統合するとともにグローバルなレベルでの投資活動を行うことにより、事業規模と事業領域を拡大し、投資収益を追求します。両社の燃料上流事業、燃料調達事業、輸送・トレーディング事業、国内外の発電事業といった事業ごとの縦串(たてぐし)のイメージになりますが、事業ごとに規模の拡大・効率の向上を目指していきます。

二つ目として、燃料調達、トレーディング、発電所運用等のオペレーションについて、規模・領域の拡大による効果や両社が保有する知見・ノウハウを活用することにより、バリューチェーン全体のオペレーションをより高度化・効率化し、収益力を高めることを目指します。各事業を横(よこ)串(ぐし)として結合させ、全体最適化という観点から、効率の高い、つまり最効率オペレーションの追求を目指していきます。

LNG調達については、両社で約4,000万トンという世界最大級の調達量が見込まれます。石炭調達については、国内のリプレース事業の実現を踏まえると、今後10年程度でアジア市場の主要プレーヤー並みの約3,000万トンまで拡大することが見込まれます。

こうした大きな調達規模を活用し交渉力を強化することで、国際競争力ある価格での調達を実現するとともに、大規模調達を梃子(てこ)に優良な新規案件開発・燃料上流権益の取得を目指していきます。

両社の国内外の火力発電設備容量を単純合算すると約7,400万kWであり、欧米の大手発電事業者と比べても遜色のない水準になっております。今後、両社が国内発電事業で培った経営資源や事業ノウハウを持ち寄るとともに、海外発電事業で獲得した知見を反映することにより、国内外の発電事業のシナジーの最大化に挑戦することが可能となります。また、新会社がバリューチェーンの全体最適化という観点から、最効率オペレーションの追求を目指すうえで、私たちには、強みがあります。それは、日本の関東地方・東海地方という極めて隣接した地点に多くの設備、顧客基盤などを有しているという強みであります。これは、欧米の大手発電会社にはない特徴であり、自社船団を用いた燃料輸送メリットの享受や受入・貯蔵基地の有効活用などが一層期待できるのではないでしょうか。

最後になりますが、新会社JERAがこれまで培ってきたユーティリティとしての強みを活かし、新しい時代のグローバルエネルギー会社としてのビジネスモデルを構築していくためには、「ヒト、モノ、カネ」全ての面での強固な経営基盤が必要であります。同時に、電力システム改革などの事業環境の変化を先取りする形で、市場型ビジネスへ順応していく必要があります。

私は、これらを成功させるために、市場型ビジネスに対応するリスクマネジメントの手法と能力をいち早く身につけること、独立した企業文化の下、自律的に事業機会を獲得するに足る財務的体力を保有すること、および革新性と判断力を兼ね備えた経験豊富な人財の育成に全力で取り組んでいきます。

これら経営基盤の整備を通じ、新会社JERAの目指しているビジネスモデルを確かに実現するとともに、日本のエネルギー産業の発展に貢献してまいる所存であります。



以上

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