定例記者会見
定例記者会見
2025年5月度 定例記者会見 林社長挨拶
2025年05月27日
中部電力株式会社
- 本日、私からは、
- 再生可能エネルギーの最大限の活用に向けた取り組み
について、お話しします。
再生可能エネルギーの最大限の活用に向けた取り組み
(再エネ導入の現状)
- 再生可能エネルギーの導入量は、2012年度のFIT制度開始以降、日本全体で太陽光を中心に着実に増加しております。
- 中部エリアにおいては、2025年3月末時点の連系量が、昨年の同時期と比較し3.3%増加し、1,238万kWとなりました。
- 昨年度の最小需要は996万kWであり、再生可能エネルギーの連系量が、春や秋といった軽負荷期の最小需要を上回っている状況であります。
- 2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、2040年の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合は4~5割とされており、中部エリアにおいても太陽光を中心に着実に増加していく見通しであります。
(出力制御の必要性)
- 次に、太陽光や風力の出力制御の必要性について、需給バランスの維持と再生可能エネルギーの最大限の導入の2つの観点からお話しします。
- 電気は、時々刻々と変化する需要に対し、常に供給を一致させる必要があり、仮に需要と供給のバランスが崩れた場合には、大規模な停電につながるおそれがあります。
- このため、気象条件によって大きく変動する太陽光や風力の発電出力に対応する必要があり、常に火力発電などの発電出力を調整し、需給バランスを保っております。
- 一方、エリア全体の発電量が需要量を超え、余剰電力が発生する場合には、国が定めた「優先給電ルール」に基づき、火力発電などから順に出力を制御し、それでもなお余剰電力が解消できない場合には、太陽光や風力の出力制御をお願いしております。
- 出力制御を前提とすることで、出力制御していない多くの時間帯においては再生可能エネルギーの発電量が増加するため、一部の時間帯で出力制御を行ったとしても、トータルでは再生可能エネルギーの導入量を拡大し、発電量を増加させることが可能となります。
- 現行の制度では、一定規模以上のすべての発電事業者の方々が、出力制御に同意のうえ、電力系統へ接続していただいております。
(出力制御の実施状況)
- 中部エリアにおいては、2023年4月に初めて出力制御を実施して以降、毎年出力制御回数が増加しております。
- 昨年度は、2023年度の約2倍となる合計46回となりました。
- また、太陽光と風力が抑制された割合を表す出力制御率は、昨年度0.31%となりました。
- 現時点では、比較的低い水準ですが、今後も再生可能エネルギーの拡大に伴い増加していく傾向にあります。
- こうした中、当社グループは、2023年12月に取りまとめられた「再エネ出力制御対策パッケージ」に基づき、需給両面で出力制御の低減に向けた様々な取り組みを進めております。
(出力制御の低減に向けた取り組み:中部電力ミライズ )
- まず、中部電力ミライズの取り組みについてお話しします。
- 中部電力ミライズでは、デマンドレスポンスの取り組みとして「NACHARGEの提供」「昼とくプランの提供」などに取り組んでおります。
- デマンドレスポンスとは、電力の需給状況や再生可能エネルギーの発電量に合わせて、お客さまに電気の使い方を工夫いただく仕組みであります。
- 1点目のNACHARGEは、ご家庭のお客さま向けのデマンドレスポンスであり、2022年7月より展開しております。
- このサービスは、発電量に余剰が発生する時間帯に掃除や洗濯などの家事をまとめて行うなど、お客さまに電気の使用時間を変更していただくことで、ご協力いただいた量に応じてポイントを進呈するものであります。
- 5月8日時点で約37万件の方に加入いただいております。
- 2点目の「昼とくプラン」は、ご家庭におけるヒートポンプ給湯器、いわゆるエコキュートによる昼間の需要創出を後押しする取り組みとして、本年4月より提供を開始しております。
- 「昼とくプラン」は、昼間の沸き上げ機能を有するエコキュートなどをお使いのお客さまを対象に、昼間の料金単価を他の時間帯より割安に設定することで、夜間から昼間に電気のご使用を移行していただける料金プランです。
- お客さまは、昼間の割安な電気をご利用になることで、出力制御の低減や再生可能エネルギーの拡大に貢献していただくことが可能となります。
(出力制御の低減に向けた取り組み:中部電力パワーグリッド )
- 次に、中部電力パワーグリッドの取り組みをお話しします。
- 中部電力パワーグリッドでは、「再エネ発電設備のオンライン化の推進」「火力発電設備の最低出力の引下げの協力要請」「エコキュートのインターネット接続の促進」などに取り組んでおります。
- 1点目の再エネ発電設備のオンライン化は、発電設備に遠隔で出力制御ができる機器を設置し、当日の需給状況などに応じて実需給に引き付けた出力制御をしていただくことで、出力制御量の低減につなげるものです。
- 発電事業者さまへの推奨を通じ、順次拡大を図ってきており、2024年9月末時点の太陽光発電のオンライン化実績は59.8%となっております。
- 2点目の火力発電設備の最低出力の引下げは、火力発電の出力を可能な範囲でより低く抑えることで、出力制御量を低減させるものであります。
- 国の審議会において、既設火力発電の最低出力の引き下げの努力目標が示されたことを受け、発電事業者さまへの協力要請を行っております。
- 3点目のエコキュートのインターネット接続は、エコキュートの中には、天気予報などに連動し、太陽光の発電量の増加が見込まれる時間帯に自動で沸き上げる機能を有するものがあります。
- こうした機能の利用促進の観点から、お客さまにインターネット接続をお願いしております。
(まとめ)
- 本日お話しした取り組みをはじめ、出力制御の低減に向けては、お客さまや発電事業者さまのご理解とご協力が不可欠であります。
- 当社グループは、引き続き、需給両面で様々な施策を推進し、お客さまや発電事業者さまとともに、再生可能エネルギーの最大限の活用に努めてまいります。
- 私からは、以上となります。
資料
以上