原子燃料サイクル

浜岡原子力発電所では、使用済燃料をどのように貯蔵しているのですか?

現在、使用済燃料は、燃料プールに移動し、冷やしながら貯蔵しています。

使用済燃料は、原子炉から取り出し、原子炉の隣にある燃料プールへ移動させます。長さ約4.5mの使用済燃料を、放射線を遮へいするため水の中で移動させながら運び、深さ約12mの燃料プールの底に移動します。移動後は、発生し続ける熱を燃料プール内の水を循環させて冷やしながら貯蔵します。

燃料プールへの移動
よくある質問 Q.地震の影響で、燃料プールや使用済燃料を冷やすための関連設備が壊れることはありませんか。 A.浜岡原子力発電所の燃料プールや原子炉建屋は、南海トラフ沿いの最大クラスとされる地震に対しても、必要な耐震性を確保します。また、万が一、水を循環させて冷やすための電源やポンプが使えなくなることも想定し、燃料プールへ注水する機能も強化しています。水の循環が止まると、使用済燃料の発熱で水が蒸発し、徐々に水位が下がる恐れがあります。このため複数の水源を確保した上で、非常用の電源でポンプを回して注水する方法や、仮に電源がなくても、移動できるポンプ車を用いて外部から注水する方法など、対策を多様化しています。

今後は、発電所敷地内に建設する乾式貯蔵施設でも貯蔵する計画です。

乾式貯蔵施設は、放射線を遮へいする金属キャスクと呼ばれる容器に使用済燃料を入れ、空気の自然循環で冷やしながら貯蔵する施設です。燃料プールで約10年以上冷やした使用済燃料の一部を貯蔵する施設として、現在、建設に向けて準備を進めています。

乾式貯蔵施設イメージ
よくある質問 Q.乾式貯蔵施設にある使用済燃料を、水で冷やさなくて大丈夫なのですか。 A.使用済燃料の貯蔵には「湿式(プール方式)」と「乾式」の2種類の方法があります。「乾式」は、水や電気を使用せず、使用済燃料から発生する熱を空気の自然循環で冷やす方法です。浜岡原子力発電所では、燃料プールで約10年以上冷やした使用済燃料の一部を、乾式貯蔵施設へ移動します。このときの発熱量は原子炉から取り出した直後の約1/150(使用済燃料1体あたり約300W・電球数個分相当)以下に減っており、空気の自然循環で十分に冷やすことができます。使用済燃料を入れる金属キャスクは、発生する熱を外に逃がす「除熱機能」、二重の蓋で放射性物質を閉じ込める「密封機能」、放射線を遮る「遮へい機能」、核分裂を発生させない「臨界防止機能」を備えています。
乾式貯蔵施設の図

電気事業連合会から電気事業者(電力9社および日本原子力発電)における使用済燃料貯蔵対策の取組強化について公表されています。

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