プレスリリース

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洗浄工程用ヒートポンプの開発・販売について~機械部品の洗浄液加温をヒートポンプで高効率に実現~

2010年02月25日
中部電力株式会社

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当社(代表取締役社長:三田敏雄、所在地:愛知県名古屋市東区東新町1番地)およびゼネラルヒートポンプ工業株式会社(代表取締役:柴芳富、所在地:愛知県名古屋市緑区大高町巳新田121)は、機械部品の洗浄工程用ヒートポンプを共同開発いたしました。このたび、トヨタ自動車株式会社殿およびアイシン・エィ・ダブリュ株式会社殿におけるフィールド試験での良好な結果を受け、製品化いたしました。
本年3月から豊田通商株式会社(取締役社長:清水順三、所在地:愛知県名古屋市中村区名駅四丁目9番8号)より販売を開始いたします。

一般に、製造工場における機械部品の切削加工後の洗浄工程では、ボイラの蒸気で加熱した60℃程度の洗浄液を使用しています。しかし、工場の敷地内でボイラ室と洗浄工程がある建物との距離が離れている場合には、蒸気配管からの放熱ロスが大きくなり熱効率が低下するという課題がありました。そのため、洗浄工程の近傍に高効率な加熱機器を設置し、省エネルギー化を図りたいとの要望をいただいておりましたが、高効率で60℃への加熱を行う製造工程用のヒートポンプはこれまでありませんでした。

そこで、本開発品は、洗浄液を加熱するための最適な冷媒を用いたヒートポンプ技術を採用することにより、機械部品の洗浄液に最適な循環加温(注)1(洗浄液入口温度60℃、出口温度65℃)を高効率に実現しました。また、工場の切削工程で発生し、ヒートポンプの効率低下の原因となるオイルミスト(注)2対策として、熱交換器にフィルターを取り付け、ヒートポンプを洗浄工程の近傍(屋内)へ設置できるようにしました。

本開発品のラインナップには、洗浄工程で利用できる「加熱専用型」の他に「冷却・加熱兼用型」(注)3があります。冷却・加熱兼用型は、切削工程における切削液の冷却に適した15℃の冷水を同時供給できるため、さらなる省エネルギー化を実現できます。また、お客さまの設備規模に合わせてお選びいただけるよう、それぞれ、加熱能力約11kW、約22kW、約43kWの3種類を用意しました。

開発品の主な特長

1 洗浄液の加熱に適した循環加温が可能

洗浄液を60℃に保つため、洗浄液(洗浄液入口温度60℃、出口温度65℃)の循環加温を高効率に実現できます。

2 大幅な省エネルギーが可能

加熱専用型で加熱COP3.0(注)4、冷却・加熱兼用型で総合COP5.2(注)5を達成しました。ボイラやチラーを用いた従来のシステムと比べ、エネルギー消費量、CO2排出量、ランニングコストを6~7割削減(注)6できます。

3 工場内オイルミストへの対応と利便性の向上

工場内のオイルミスト対策のため、熱交換器にフィルターを取り付け、また、タッチパネル方式の操作パネルを導入し、利便性も向上しました。

(注1)洗浄液の循環加温
熱の利用により、温度が低下して戻ってきた洗浄液を、再利用するために再加熱することです。

(注2)オイルミスト
霧状で空気中を浮遊する油脂のことです。洗浄工程と隣接して切削工程が設置されている例が多く、切削工程では高速回転する工具に潤滑用の切削油を供給するため、オイルミストが発生します。これがヒートポンプの空気熱交換器に付着すると効率低下の原因になります。

(注3)冷却・加熱同時運転、冷却運転および加熱運転の3つのモードを切り替えて使用できます。なお、オプションとして冷却・加熱同時運転だけを行う冷却・加熱同時型もあります。

(注4)加熱COP
加熱COP=加熱能力(kW) / 消費電力(kW) で定義され、この値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示します。「加熱専用型」の加熱COP3.0は、外気乾球温度25℃、外気湿球温度21℃、洗浄液温度が開発品の入口側で60℃、出口側で65℃における値です。

(注5)総合COP
総合COP={ 加熱能力(kW) + 冷却能力(kW) } / 消費電力(kW) で定義され、加熱COPと同じく、この値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示します。開発品の総合COP5.2は洗浄液温度が入口側で60℃、出口側で65℃かつ冷水温度が入口側で20℃、出口側で15℃の条件における値です。

(注6)トヨタ自動車株式会社殿、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社殿でのフィールド試験結果に基づいた試算結果です。

【製品に関するお問い合わせ先】

ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 開発部
(担当:柴 芳郎 Tel:052-624-6368)

【販売に関するお問い合わせ先】

豊田通商株式会社 機械部 施設環境グループ
(担当:木下 裕 Tel:052-584-5920)

参考資料

以上

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