プレスリリース
浜岡原子力発電所の点検周期を超過した点検計画および点検実績に係る調査結果に対する再発防止対策について
2010年11月30日
中部電力株式会社
当社は、浜岡原子力発電所3、4号機の定期事業者検査対象機器の一部に点検計画管理表への点検時期の入力ミス等により点検周期を超えている機器があったことおよび点検時期の延長や評価に係る実施手順に不明確な点があったことについて、原子力安全・保安院の指示「浜岡原子力発電所の点検周期を超過した点検計画及び点検実績に係る調査結果に対する対応について」(平成22・10・08 原院第1 号)に基づき、再発防止対策等を策定し、本日、同院へ報告しました。
1 定期事業者検査対象以外の機器の点検計画および実績に関する調査結果について
定期事業者検査では、安全機能を有する機器について、その機能が健全であることを分解点検等で確認しています。また、定期事業者検査以外にも、自主点検として、定期事業者検査対象機器の調整や目視点検を行うとともに、安全機能を有していない機器の分解点検等を実施しています。
今回、3、4、5号機の定期事業者検査対象以外の機器の点検計画および実績について調査した結果、
前回(注1)と同じ理由により点検周期を超えている機器があることを確認しました。当社は、これらの機器について健全性評価を行い、至近の定期点検まで点検を実施しないで使用することが可能であることを確認しました。また、これらの機器については速やかに点検を実施していきます。
さらに、現在廃止措置中の1、2号機についても点検周期を超えている機器があることを確認したため、速やかに点検を実施していきます。
(注1)前回とは、浜岡3、4、5号機の定期事業者検査対象機器の点検周期を超過した点検計画および実績に係る調査です。 (2010年10月12日に原子力安全・保安院へ報告。同日公表済み。)
2 点検計画管理表の入力ミス等に対する再発防止対策について
入力ミス等の内容は、従来使用していた帳票や汎用ソフト等での点検時期の入力漏れや誤入力、移管を進めているプラントマネジメントシステムへのデータ移行時の間違ったデータの登録等です。これらは安全機能を直接担っていない、主に、数量が多く点検計画管理表の変更頻度が多い弁や電気計装品等で発生していました。なお、プラントマネジメントシステムには入力ミスのチェック機能があるため、移管後の運用で新たな入力ミス等は発生していません。
これら入力ミス等が生じたことに対し、以下のとおり再発防止対策を講じます。
- プラントマネジメントシステムへの移管作業を迅速に進め、一元的な管理を行っていきます。
なお、プラントマネジメントシステムへの移管が完了するまでの間、汎用ソフトによる管理では、変更内容を当該業務以外の第三者が確認し、入力ミスの発生防止を徹底します。 - システムの移管や点検時期の変更における、チェック機能の向上を目的にプラントマネジメントシステムに誤入力をブロックする機能や注意喚起する機能を追加しました。
3 点検時期の延長や評価に係る実施手順の改善について
当社では、保安規定に基づき、機器の保守管理の具体的な方法を社内ルールに定めています。その中で、点検時期の延長に関する健全性評価を行うことで、要求事項である点検周期を超過して点検を計画することも認めています。その実施手順に以下のとおり問題があったことから、改善策を講じます。
(1)点検時期の設定や延長時の健全性評価に関する問題点
- 弁の点検時期を目安とする等、点検周期の扱いが要求事項として不明確であり、また、点検周期を要求事項として扱う意識が不足していました。
- 点検時期の延長や健全性評価に係る実施手順や評価記録の保存の運用において、社内ルールに不明確な点がありました。
(2)問題点に関する改善策
- 点検周期を要求事項として明確にするため、点検時期の目安という管理を改めました。
- 今後、点検周期の遵守を保守管理目標として定め、その達成状況を定期的に確認します。
また、点検計画で定めた点検周期より余裕をもった短い周期で点検を計画します。 - やむを得ず点検周期内に点検ができない場合は、当該機器を不適合として健全性評価を行う管理にしました。また、健全性評価の具体的な方法(手順、評価項目や評価した記録の保存等)を明確化しました。
当社は、今後も、品質マネジメントシステムに基づき、継続的に点検計画(機器の点検内容や点検周期)の最適化など保守管理の改善を図るとともに、当社社員への教育を行っていきます。
また、「なぜ現在に至るまで問題点が継続し、組織として改善を図ってこなかったのか」という背後要因の観点から根本原因を分析し、更なる改善策を立案し、適切に実施していきます。
添付資料
以上