プレスリリース
計量器の検定有効期間満了時における不適切な業務処理について
2011年01月20日
中部電力株式会社
長野支店
当社は、長野支店松本営業所(長野県松本市埋橋)において、高圧で受電している一部のお客さまの電気の使用量を計測するための計量器を、検定有効期限が超過したまま継続使用しておりました。このたび、この不適切な業務処理が判明しましたので、お知らせします。
お客さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
電気の使用量を計測する計量器は、計量の適正さを確保するため、「計量法」で定められた検定有効期間内に取り替えを行っております。また、計量器の検定有効期限については、システムを用いて管理しております。
しかし、同営業所の担当者2名およびその上長1名は、平成16年3月から平成18年12月の間、期間内に計量器の取り替えを実施したものとしてシステム処理のみを行い、実際の計量器の取り替えを行っておりませんでした。
同営業所管内で、当該担当者が担当していた過去の計量器取り替え業務843件について、お客さまとの立ち会いができていない1件を除き、調査を実施いたしました。
調査の結果、検定有効期限を超過して使用していた計量器は合計67件ありました。
そのうち、すでに取り替え済みの計量器が52件あり、現在も取り替えがなされていない計量器が15件ありました。なお、立ち会いができていないお客さま1件については、現地を確認した結果により、検定有効期限が超過していた場合には、すみやかに対応させていただきます。
現在、当社は、当該計量器が設置されているお客さまに事情をご説明し、検定有効期限を超過していた期間の電気の使用量を協議するとともに、取り替えがなされていない計量器の取り替え作業を順次進めております。
今後、このような事象が二度と発生することがないよう社員教育を再徹底するとともに、事業基盤であるお客さまとの信頼関係を回復すべく、適正業務の遂行に全力で取り組んでまいります。
添付資料
以上
添付資料1
今回の事象の概要および類似事象の調査結果について
1 今回の事象の経緯について
(1)平成22年12月27日、計量器取替工事のため現地を調査した際に、検定有効期限超過の高圧変付計器および高圧変成器(以下、「計量器」という。)を発見した。
その後、同様の事象について調査を行った結果、検定有効期限を超過した計量器が67件あることが判明した。
(2)関係者への事情聴取を実施した結果、当時の担当者が、平成16年3月から平成18年12月の間、計量器の取替工事にあたって、停電交渉・工事調整を行っていく中で、実際には施工していないにもかかわらず、検定有効期間内に計量器取替を施工したこととしてデータ更新し、システム管理上は「検定有効期限超過」とならない業務処理方法を考え、実施していたことが判明した。
(3)当時の担当者の上長も、本来行われるべき適切な業務チェックを実施せず、さらに同担当者が異動時に、担当者の上長に同事象を報告したが、同上長は所属長には報告せず、引き継いだ未施工分の取り替えの指示を行った。
(4)当該担当者は異動時に、今回の不適切な業務処理方法を引き継ぎ、引き継いだ担当者は前任者の方法を踏襲し、停電のご了解がいただけなかったお客さまの計量器取替工事を行っていなかった。
2 不適切な業務処理判明後の調査
(1)調査対象
担当者2名が松本営業所に在籍していた期間(平成15年7月から平成20年7月の5年間)に取り替え対象となった同営業所管内の計量器843件
(2)調査方法
現地調査を実施し、現時点で検定有効期限を超過している計量器の有無を確認した。また、過去に検定有効期限を超過していたが既に取り替え済みの計量器についても調査するため、実際に取り替えを実施した際の管理台帳の取り替え日と現地の検定有効期間満了日との照合を行った。
(3)調査結果
お客さまの了解のもと、現地の調査を実施した結果、現時点で検定有効期限を超過している計量器が15件、過去に検定有効期限を超過していたが、既に取り替え済みの計量器が52件、計67件あったことが判明した。なお、現地確認のための立ち会いができていないお客さま1件については、現地を確認した結果により、検定有効期限が超過していた場合には、すみやかに対応する予定である。
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お客さま数(件) |
内訳(件) |
||
---|---|---|---|---|
高圧変付計器+高圧変成器 |
高圧変成器 |
|||
検定有効 |
未取替 |
15 |
1 |
14 |
取替済(注) |
52 |
|
52 |
(注)過去に検定有効期限が超過していたが、既に取り替え済みのお客さま
(4)検定有効期限超過の期間
最大6年10ヶ月(未取替のもの4年9ヶ月~6年10ヶ月、取り替え済みのもの1ヶ月~2年6ヶ月)
3 当社管内における類似事象の調査
今回の事象において、システム内のデータは既に取り替え済みになっている一方、実際の取替工事は行われず、取付予定の計量器が他のお客さまに使用され、その時点で改めてシステム内にデータ登録がされるため、計量器の製造番号等のデータが重複することとなる。
このため、システムデータ約11万件のうち、製造番号等のデータ重複について調査を実施し、類似事象による検定有効期限を超過した計量器は無いことを確認した。
4 再発防止策
従業員の社員教育を再徹底するとともに、次のような再発防止策について検討する。
(1)検定有効期間満了に伴う計量器取替工事における停電交渉ルールの明確化
(2)計量器の製造番号等の重複データ照合の定期的な実施
(3)取り替えにより撤去された計量器の現品照合の実施
(4)お客さま設備の年次点検等に同調した検定有効期限の調査実施
(5)ICタグによる計量器個体情報管理システムの導入