プレスリリース

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環境配慮型熱硬化性樹脂の開発について

2011年06月13日
中部電力株式会社

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当社(代表取締役社長:水野明久、所在地:愛知県名古屋市東区東新町1番地)と株式会社明電舎(代表取締役社長:稲村純三、所在地:東京都品川区大崎二丁目1番1号ThinkParkTower)は共同で、「環境配慮型熱硬化性樹脂」を開発いたしました。

今後、明電舎にて本開発材料を用いた製品化を検討していく予定です。

樹脂には、熱可塑性と熱硬化性の二種類があります。熱可塑性樹脂は、熱を加えることで成形しやすくなるため、主に包装材料や食品容器の材料として使用されています。一方、熱硬化性樹脂は、熱や薬品に強く、熱を加えても変形しないため、主に自動車等の部品の材料や電気機器の絶縁材料として使用されています。従来の樹脂は、石油から作られる原料を用いており、石油資源の枯渇といった地球規模の問題から、再生可能資源や産業副産物を使用することが求められています。

こうした中、熱可塑性樹脂については、近年、家電を中心に植物由来の原料を使用した樹脂が多く開発されていますが、熱硬化性樹脂については、自動車や電力機器等に使用可能な高強度で信頼性の高いものが、これまでありませんでした。そこで、今回、電力機器の絶縁材料として使用できる強度と長期信頼性を有した、環境に配慮した熱硬化性樹脂を開発しました。

開発した熱硬化性樹脂は、主剤・硬化剤に植物由来の材料を用いることで、石油由来の材料を従来の電力用熱硬化性樹脂に比べて大きく削減しており、あわせて、充填材に産業副産物である、石炭火力発電所から排出される石炭灰を利用することで、環境にやさしいものとなっています。また、従来樹脂と比べて、機械特性、電気特性は同等であり、コスト面においても同等以下を実現しております。

主な特徴

1 環境にやさしい熱硬化性樹脂

樹脂中の主剤・硬化剤に植物由来材料を用い、また充填材に石炭火力発電所から排出される石炭灰の一種フライアッシュを用いました。

2 機械特性、電気特性は既存樹脂と同等

機械特性、電気特性は既存の樹脂と同等であり、配合率を変えることにより対象製品に適した特性に合わせることができます。

3 絶縁材料としてコスト面でも同等以下

植物由来原料は原料コストが大きいものの、石炭火力発電の副産物であるフライアッシュを添加することで、絶縁材料としては既存のものと同等以下の原料コストとしました。製品製造工程は従来と変わらないため、製品コストとしては同等以下を実現しました。

【開発樹脂に関するお客さまからのお問い合わせ先】

株式会社明電舎(担当:黒住、蔵田 TEL 03-6420-8657、8646)

別紙

以上

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