プレスリリース

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内閣府の公表結果を踏まえた浜岡原子力発電所への地震動の影響評価および地震対策の検討状況

2013年04月26日
中部電力株式会社

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2013年3月18日に内閣府から、「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」が公表されました。内閣府は、この被害想定において、南海トラフ沿いにおいて発生し得る最大クラスの巨大地震として、「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が想定した強震断層モデル(2012年3月 第一次報告)(以下、「内閣府モデル」という。)に基づく震度分布の推計結果を用いています。

そこで、当社としても、この内閣府モデルに基づき浜岡原子力発電所2~5号機の現状の停止状態において安全性確保に必要な施設への影響を評価し、耐震安全性が確保されていることを確認いたしました。

一方で、駿河湾の地震で5号機にみられた増幅を踏まえると、5号機およびその周辺の安全上重要な施設を中心に、より一層の耐震性の向上を図ることが必要と見込まれることから、内閣府が検討事項としている長周期地震動等の検討状況や新規制基準を踏まえて、必要な対策を進めてまいります。

また、現在実施中の防波壁を含む津波対策についても、耐震性の精査が必要になることから、対策完了目標をこれまでの2013年12月から2014年度末に見直すことといたしました。

1 内閣府の公表結果を踏まえた浜岡原子力発電所への地震動の影響評価

(内閣府モデルに基づく地震動の評価)

最大クラスの巨大地震である内閣府モデルに基づく浜岡原子力発電所の地震動(以下、「内閣府地震動」という。)を評価した結果、最大1000ガル程度となりました。

また、2009年8月の駿河湾の地震において5号機の揺れが他号機に比べて大きかったことを踏まえ、当社が実施してきた地下構造調査および地震観測記録の分析の結果(以下、「調査分析結果」という。)を反映した地震動を評価しました。

当社は、調査分析結果として、(1)5号機の揺れの増幅の主要因は、同号機周辺の地下浅部に分布する低速度層であること、(2)この低速度層は5号機周辺以外には分布していないこと、(3)地震観測記録において5号機周辺の増幅がみられるのは駿河湾の地震の到来方向の地震に限られ、かつ5号機周辺以外の観測点では顕著な増幅がみられないこと、を確認しております。

この調査分析結果を反映して、最大クラスの巨大地震である内閣府モデルに対し、仮想的に、強い地震波を発生させる強震動生成域を5号機の増幅がみられる地震波到来方向に集中的に配置し直した上で、5号機の増幅を反映した地震動(以下、「内閣府モデルを用いた仮想的増幅地震動」という。)を評価した結果、最大1900ガル程度となりました。

(施設への影響評価)

2~4号機については、内閣府地震動(最大1000ガル程度)、また5号機については、内閣府モデルを用いた仮想的増幅地震動(最大1900ガル程度)に対して、現状の停止状態において安全性確保に必要な施設(原子炉建屋、基礎地盤、燃料ラック等)への影響を評価した結果、浜岡原子力発電所2~5号機の耐震安全性が確保されていることを確認しました。

2 地震対策の検討状況と今後の対応

内閣府地震動は、3~5号機の安全上重要な施設に対する現状の耐震レベル(約1000ガル)と同程度であるものの、内閣府モデルを用いた仮想的増幅地震動(最大1900ガル程度)は、駿河湾の地震を踏まえた5号機耐震安全性への影響確認に用いた地震動(1454ガル(注))を上回ることから、今後、5号機およびその周辺の安全上重要な施設を中心に、より一層の耐震性の向上を図ることが必要と見込んでおります。

また、当社は、内閣府が検討事項としている長周期地震動等の検討状況や新規制基準を踏まえ、3~5号機の施設全般を対象に、具体的な工事対象施設や設計の検討を進め、今年度内のできるだけ早い段階で工事計画を取りまとめ、早期の着工を目指します。

現在実施中の防波壁を含む津波対策についても、耐震性の精査や必要な設計見直しを図りつつ工事を進める必要があることから、対策完了目標をこれまでの2013年12月から「取水槽他の溢水対策」等の完工目標である2014年度末に見直しました。これによる当期の業績への影響は軽微であります。

当社は、浜岡原子力発電所の安全性をより一層向上させる取り組みを着実に進めるとともに、その内容を丁寧にご説明することで、地元をはじめ社会の皆さまの安心につながるよう、全力で取り組んでまいります。

(注):「駿河湾の地震を踏まえた浜岡原子力発電所5号機の耐震安全性への影響確認等について」(国のワーキンググループの場で報告した内容を取りまとめ2010年12月15日公表)

別紙

以上

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