定例記者会見
定例記者会見
2022年12月度 定例記者会見 林社長挨拶
2022年12月20日
中部電力株式会社
- はじめに、ご心配をおかけしております、公正取引委員会から意見聴取通知書を受領した件につきまして、お話をさせていただきます。
当社および中部電力ミライズは、昨年4月13日に、中部地区などにおける特別高圧電力および高圧電力の供給に関して、公正取引委員会の立入検査を受け、調査に対し、全面的に協力してまいりました。
このたび、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令書(案)および課徴金納付命令書(案)に関する意見聴取通知書を受領したことを、大変重く受け止めております。
当社の事業は、お客さまや株主、地域の皆さま、お取引先をはじめ、関係する多くの皆さまに支えられております。
今回の件で、関係者の皆さまにご心配をおかけしていることを、お詫び申しあげます。
この意見聴取通知書の受領は、公正取引委員会の調査手続きの一環であり、現在も調査が継続しております。
当社といたしましては、意見聴取通知書の内容を精査するとともに、命令書(案)の内容などに関する説明を踏まえ、今後の対応を慎重に検討してまいります。
- 本日、私からは、
- 自動検針サービスの新会社設立
- 今年の振り返りと来年の抱負
の2点について、お話しいたします。
自動検針サービスの新会社設立
- 当社は、本日、中部電力パワーグリッドと共同で、自動検針サービスを専門におこなう「中電テレメータリング合同会社」を、来年2月1日に設立することを決定いたしました。
- 電気やガス、水道といったエネルギー・インフラ分野においては、労働人口の減少や、IoT技術などの進展を受けて、検針や保安業務の高度化、また、検針データなどを活用したサービスの一層の向上が求められています。
- この状況を踏まえ、当社は、昨年4月から、中部エリアにおいてガスや水道の使用量を遠隔で検針できるほか、ガス漏れなどのトラブルを早期に発見し、即座に供給の停止や復帰が可能な「テレメータサービス」のご提供を開始いたしました。
- 現在、このサービスは、LPガス会社15社、約10万口のお客さまにご利用いただいております。
- このたび、テレメータサービスに特化した会社を設立し、事業を加速させることで、2025年には、サービスご利用者数を現在の5倍となる50万口まで増加させることを目指します。
- 加えて、高齢者の見守りや、認知症の兆候であるフレイルの検知につながる新たなサービスの開発・検討などを進めてまいります。
- 当社グループは、今回の新会社設立を契機として、テレメータサービス事業を大きく発展させ、お客さまに「新たな価値」をお届けしてまいります。
資料
今年の振り返り
- 次に、今年一年の振り返りについて、お話しいたします。
- 2022年は、経営ビジョン2.0の実現に向けた中間地点である2025年をターゲットとした中期経営計画を策定し、新たな目標の達成に向けてスタートを切った年でした。
- 一方、ウクライナ情勢の影響に伴う燃料価格や卸電力市場価格の高騰などによる収支の悪化や、全国的な電力需給のひっ迫など、非常に厳しい事業環境の一年となりました。
- この厳しい状況は、来年以降も継続するものと見込んでおり、大変心苦しい限りですが、10月には、中部電力ミライズが、安定的に電気をお届けするために、特別高圧・高圧の標準料金メニューの見直しを決定いたしました。
- 当社グループは、現在、お客さまに見直しの背景や内容について丁寧にご説明するとともに、経営効率化施策の拡大や、お客さまのご負担軽減につながるサービスのご提供に全力で取り組んでいるところです。
- 電力需給につきましては、この夏は、当社グループの総力を挙げて需給両面でのあらゆる対策を実施し、また、お客さまに節電のご協力をいただいたことで、安定して電気をお届けすることができました。
- この冬につきましても、現時点で安定供給に最低限必要とされる予備率3%を確保できる見通しですが、当社グループとしては、確保した供給力を減少させることのないよう、発電所や送変電設備の運転・保守の確実な実施に取り組んでいるところです。
- お客さまには、無理のない範囲での節電にご協力をお願いしており、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。
来年の抱負
- 次に、来年の抱負について、お話しいたします。
(脱炭素社会実現への貢献)
- 現在、国のGX実行会議において、日本のエネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの実現に向けた検討が、最終段階を迎えています。
- 当社グループも、「経営ビジョン2.0」や「ゼロエミチャレンジ2050」において、脱炭素社会実現への貢献を掲げており、再生可能エネルギーの更なる拡大や、お客さまのニーズを捉えたご提案を通じて、今後も脱炭素化の取り組みを一層推進してまいります。
- 再エネの更なる拡大については、「2030年頃に320万kW以上」を目指しており、現在73万kWの進捗となっております。
- 引き続き、水力、風力、バイオマスなどの新規電源の開発に加え、既設電源の増電や増出力に取り組むとともに、オフサイトPPAなど、お客さまの再エネ拡大にお役立ちできるサービスのご提供を加速してまいります。
- お客さまのニーズを捉えたご提案については、中部電力ミライズが、長年培ってきた省エネソリューションサービスや、CO2フリー電気のご提供などを通じて、お客さまの脱炭素化に向けたあらゆる取り組みをお手伝いしてまいります。
- 加えて、安定供給と脱炭素の両面で非常に重要な役割を担う原子力発電の最大限の活用に向け、浜岡原子力発電所の新規制基準適合性確認の審査に引き続き全力で取り組み、安全の確保と地域の皆さまのご理解を最優先に、早期の再稼働を目指してまいります。
(新成長領域の拡大)
- また、当社グループが掲げる「経営ビジョン2.0」の実現に向けては、新成長領域での収益拡大が必要不可欠です。
- 当社グループは、戦略的投資などを通じて、
- お客さまの「くらしを便利で豊かにするサービス」
- 脱炭素社会への貢献と収益基盤の強化を図る「グローバル事業」
- 地域の「未利用資源の活用」に関するソリューションをご提供する「資源循環事業」
などに全力で取り組んでおります。
- 「経営ビジョン2.0」のターゲットである2030年が近づくなか、新成長領域の取り組みを一層加速させ、更なる収益拡大への道筋を確実なものにしていくことが来年の課題であると考えております。
- 本日公表させていただいた「テレメータサービス」もその一環であり、お客さまや社会が求めている価値を見極め、当社グループが持つ技術力や、お客さまとの繋がりを強みに、当社グループだからこそできる「新たな価値の創出」にこれまで以上に取り組んでまいります。
(人財戦略)
- 当社グループが将来にわたり安定供給を実現するとともに、新たな事業領域に挑戦していくためには、原動力となる人財一人ひとりの活躍が不可欠であると考えております。
- 大きく変化する事業環境においても、多様な人財が自ら果敢に挑戦し、成長できる環境づくりを私が先頭に立って進めてまいります。
(まとめ)
- 当社グループを取り巻く事業環境は、来年も厳しい状況が継続するものと認識しておりますが、「変わらぬ使命の完遂」と「新たな価値の創出」の同時達成により、「経営ビジョン2.0」の実現に向けた取り組みを着実に進める一年にしたいと思います。
以上