定例記者会見

定例記者会見

2020年3月度 定例記者会見 勝野社長挨拶

2020年03月31日
中部電力株式会社

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社長としての5年間の振り返り

  • 本日、私からは、
    • 社長としての5年間の振り返り

    について、お話しいたします。

  • その前に、一昨日の降雪の関係で、長野県内で停電が発生しており、現在も約250戸が復旧工事中です。最大で16,000戸強のお客さまにご不便とご心配をおかけし、申し訳ありません。本日中の停電解消に向けて全力で復旧作業を進めてまいります。
  • 5年前の社長就任時を振り返りますと、安定・安価な電力供給を目指す電力システム改革が始まり、電力・ガスの小売り全面自由化を間近に控えた販売戦略の確立、東京電力との燃料・火力発電事業の統合、浜岡原子力発電所の安全性向上対策、そして、送配電事業の法的分離への準備など、さまざまな課題が山積しており、当社にとって、歴史的な変革が動き始めた時期でありました。
  • そして、この5年間、それぞれの課題に着実に取り組んでまいり、いよいよ明日から新しい事業体制を迎えます。
  • これも、従業員の皆さん一人ひとりが目的を良く理解し、効率化や改善を積み重ねてきてくれたおかげであります。改めて感謝申しあげます。
  • 一方で、政策効果がもたらす事業環境の変化として、太陽光を中心とした分散型電源の大量導入や、全面自由化に向けたスマートメーターの導入促進があり、これらを、急速に進展するデジタル技術と繋ぎ合わせて、送配電網の高度化や家庭生活の利便性向上に活用することで、経済発展と社会課題の解決を図っていくことが可能となり、「Society5.0」の実現に貢献することができます。
  • 加えて、送配電システムの合理的な形成や、エネルギーの効率利用が可能となり、国際的にも喫緊の課題となった「低炭素化社会の実現」にも寄与できます。
  • そこで、2018年に公表した「中部電力グループ経営ビジョン」では
    • エネルギー事業においては、発送電分離にあわせて、発販分離型の事業モデルに移行し、良質なエネルギーをより安全・安価で安定的にお届けしていくこと。
    • 新しい成長分野においては、これまでのエネルギーインフラを「コミュニティサポートインフラ」に進化させていくことで、さまざまな社会課題の解決に寄与していくこと。

    この2点を掲げ、これまでに、カンパニー制の導入、JERAへの事業統合、事業創造本部の新設、販売会社の設立といった大規模な組織変更や権限移譲など、事業体制の整備にむけて、さまざまな布石を打ってまいりました。

  • 加えて、重要分野に戦略的投資を行い、経営ビジョンの実現に向け、歩を進めています。
  • これらの取り組みを通じて、JERAにおいては、燃料上流・調達から発電に至る一連のバリューチェーンが確立し、低炭素化に向けた厳しい事業環境や、需給変動の調整役を担う中においても、コスト競争力の強化、新たな収益源の創出に向けた取り組みが順調に進んでおります。
  • 販売事業についても、新しい電力取引市場の整備が進み、厳しい競争環境ではありますが、エリアや商材に応じて、それぞれの販売会社が、お客さまと向き合いながら販売活動を展開しております。
  • 戦略的投資の分野では、「みまもりポール」、「情報銀行」、「スマートメーターを活用した自動検針」などの新サービスの展開・新たなコミュニティの提供に加えて、海外事業への展開では、ドイツの海底送電事業への参画や、オランダのEneco社の買収など、積極的に行い、今後、国内事業とのシナジー効果も発揮してまいります。
  • また、当社の重要な経営課題の1つである浜岡原子力発電所につきましては、原子力規制委員会の審査に真摯に対応してきており、基準地震動・基準津波の設定に向けて、一歩ずつではありますが、着実に進んできたところであります。
  • さらに、至近年においては、自然災害による大規模停電が相次いで発生いたしましたが、その中では、安定供給に対する社会的ニーズの高さや、「電力がインフラの中のインフラ」であることを再認識し、レジリエンスの向上に取り組んでいます。
  • このように、安全の確保を大前提として、エネルギーの安定供給、経済性、環境への適合性の同時達成を目指す、いわゆる「S+3E」の実現が中部電力グループの「変わらぬ使命」であること、そして、これを礎として、時代の変化を見据えた「新たな価値の創出」・「コミュニティサポートインフラへの進化」に挑戦していくこと、この2つの課題を両立することで、お客さまや社会からの信頼と期待にお応えしていく。この点についても、お客さまや社会の期待を超える「一歩先を行く」ということができたのではないかと感じております。
  • 当社は、4月から、発送電分離に加えて発販分離型の新たな事業体制のもと、これまで打ってきた布石を着実に実行していく段階となります。
  • 2020年は新しい事業体制となり、まさに「第二の創業期」であります。
  • 引き続き、変化の大きい時代となることが予想されますが、林新社長を先頭に、全社一丸となって、これまで進めてきた「一歩先を行く」事業戦略を、一層加速していってほしいと思います。
  • 私も「会長」という新しい立場から、中部電力グループ全体のさらなる成長に向けて、全力を尽くしてまいります。
  • 最後になりましたが、お客さま・取引先・報道機関・従業員など、ステークホルダーの皆さまには大変多くのご支援・ご理解・ご協力を賜りましたこと、心より厚く御礼を申しあげます。
  • 私からは以上であります。

2020年度経営課題への取り組み

  • 専務の林でございます。
  • 私からは、
    • 2020年度 経営課題への取り組み

    について、お話しいたしますが、それに先立ちまして、明日の社長就任にあたり、私の考えについてお話しいたします。

  • 分社化を明日に控え、あらためて社長という重責に身の引き締まる思いであります。
  • 当社を取り巻く環境が歴史的な転換点を迎える中においては、経営ビジョンを、従業員やパートナー全員と共有し、それぞれが自律的に、具体的な施策を展開していく必要があります。
  • スピーディかつ着実に、ステークホルダーの皆さまのご期待にお応えできるよう、「元気でしなやかな企業グループ」を目指し、私が先頭に立ち、グループの仲間とともに、一丸となって前進してまいる所存でございます。
  • 引き続き、皆さま方のお力添えをいただきながら、ご期待に応えることができるよう、情熱と信念を持ち、全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
  • それでは、
    • 2020年度経営課題への取り組み

    について、お話しいたします。

  • 当社は、本日、2018年に策定した経営ビジョンの実現と、2021年度の経営目標の達成に向けた具体的アクションを「2020年度中部電力グループ経営課題への取り組み」として取りまとめました。
  • 中部電力グループを取り巻く環境は、低炭素化への強い社会的要請や、デジタル化の急速な進展、再生可能エネルギー電源の地産地消・分散化など、劇的に変化しております。
  • 事業環境の変化に対応するため、送配電部門の法的分離に加え、販売部門についても分社化し、「発販分離型の事業モデル」へと移行します。
  • それぞれが異なる市場、お客さまと直に向き合い、自律的な取り組みを進めることにより、これまでご提供してきた安定・安価なエネルギー供給をより確かなものとしてまいります。
  • また、新たな事業体制の下、「安定供給・レジリエンス」、「低炭素社会の実現」、「新たな価値の創造・提供」を3つの柱に掲げ、これまで進めてきた取り組みを、一層加速していくことで、利益目標の達成と、ESG経営の推進・SDGsへの貢献を実現してまいります。
  • これらの実現に向けて、当社は、4つの「重点的取り組み」を進めてまいります。
  • まず、1つ目の「浜岡原子力発電所の安全性のさらなる向上」についてご説明します。
  • 現在、原子力規制委員会による新規制基準への適合性審査を受けておりますが、「基準地震動」、「基準津波」が概ね確定すると、プラント関係の審査が進むとともに、これらに基づき安全性向上対策の内容が説明できるようになります。
  • 引き続き、審査に真摯に対応し、新規制基準への適合性確認を早期にいただけるよう最大限努力してまいります。
  • また、防災体制の整備や訓練の一層の充実を図り、ハード・ソフト両面から、浜岡の安全性について地域・社会の皆さまへの丁寧な説明に努めることで、 一層信頼いただける発電所を目指してまいります。
  • 次に、2つ目の「新たな時代の安定供給」について説明いたします。
  • 再生可能エネルギーの導入が拡大する中、火力発電設備の出力調整等により、中部エリアの安定供給を維持するとともに、次世代配電機器の設置やICTを活用した系統運用の高度化を図り、電力品質の確保と、合理的な設備形成に努めてまいります。
  • また、レジリエンスの強化に向けては、災害発生時の早期復旧、無電柱化の一層の加速、水力発電用ダムの洪水調節への活用、サイバーセキュリティの強化などに取り組んでまいります。
  • 次に、3つ目の「事業基盤の強化と持続的な成長の実現」について説明いたします。
  • 発電、送配電、販売といった、エネルギーバリューチェーンのあらゆる事業領域から、再生可能エネルギーの拡大や電化の推進など、低炭素社会実現に向けて、グループ全体で取り組みを進めてまいります。
  • また、海外事業を積極的に展開し、国内事業とのシナジー創出による収益拡大を目指すとともに、JERAにおいても、国際競争力のあるエネルギーの安定的なお届けと、中部電力グループの企業価値向上を図ってまいります。
  • 最後に、4つ目の「新成長分野の事業化加速」について説明いたします。
  • 当社は、「低炭素化」、「お客さま起点」、「デジタル化」をキーワードに、先端技術を活用したサービスの創出・提供に取り組んでいます。
  • 電力・情報通信ネットワークを介して得られる様々なデータを組み合わせ、暮らし・産業・コミュニティの課題に応じた「つながることで広がる価値」を、エネルギーサービスとともにお届けしてまいります。
  • 続いて、経営目標についてお話しいたします。
  • 当社は、これまで掲げてきた経営目標、「2021年度に連結経常利益1,700億円以上」と、経営ビジョンに掲げた「2020年代後半に連結経常利益2,500億円以上」に向けて引き続き取り組んでまいります。
  • また、経営ビジョン達成に向けては、将来にわたり持続的な成長を実現していく必要があります。
  • 当社は、事業成長・発展のための戦略的投資について、「2019年度から2023年度までの5年間の累計で、4,000億円以上」といたしました。
  • 引き続き、適切にリスク管理を行いながら、持続的な成長を確実なものにしてまいります。
  • 当社は、4つの重点的取り組みを着実に進めることで、良質なエネルギーを安全・安価で安定的にお届けするとともに、コミュニティサポートインフラの創造などを通じて、低炭素社会の実現をはじめとした社会課題の解決に貢献してまいります。
  • そして、事業環境や体制がどのように変化しようともコンプライアンスが普遍的な事業基盤であることを肝に銘じ、分社化以降におきましても、グループ一体となって、取り組みを進めてまいることで、ステークホルダーの皆さまから信頼いただける企業グループを目指してまいります。
  • 私からは以上であります。

資料



以上

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