RESEARCHERS
原子力安全技術研究所
熊野 秀樹
HIDEKI YUYA
PROFILE
所属 | 原子力安全技術研究所 |
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研究・専門分野 | 原子炉材料工学 |
学位 | 修士(工学)九州大学 博士(工学)名古屋大学 |
趣味・好きなこと | 散策(ウォーキング団体に参加し、歩き仲間と楽しんでいます) |
研究キーワード | 材料工学 原子炉 脆化 応力腐食割れ 非破壊検査 補修 廃炉材 |
(注)2024年2月取材時
熊野さん、ゆやさんと読むんですね。
はい、熊野と書いて「ゆや」と読みます。
長崎県の出身ですが、地元でも珍しがられるんですよ。自分でも気になり調べてみると、能楽に「熊野(ゆや)」という演目があるなど、この読み方をする例もあるようです。是非覚えてください。
熊野さんの専門分野を教えてください。
材料工学の中でも、特に原子炉に使用する材料を専門としています。もともと材料には興味があり、学生時代は、核融合炉をはじめとする原子炉材料工学(極限材料工学)を学ぶ学部に在籍していました。
中部電力入社後もその知識を活かし、これまで「原子炉の照射損傷」や、「ボルトの減肉事象超音波診断技術」など、さまざまな材料関連の研究を続け、現在に至っています。
現在はどんな研究に取り組んでいるのでしょうか。
主に、浜岡原子力発電所の原子炉で使用される金属材料の研究(検査・保修・評価)に取り組んでいます。
運転中の発電所からは試験片を採取できないため、従来では原子炉で使用しているものと同じ材料(模擬材)を中心に研究をすすめていましたが、2009年度からは1・2号機の廃止措置が始まったことで、実際に使用されてきた材料を用いた研究ができるようになりました。
例えば、原子炉圧力容器から切り出した金属片に試験装置で衝撃を与え、その材料特性を評価するなど、原子炉材料の耐久性や劣化速度について、様々な角度や手法で試験をおこなっています。
そうして得られた結果を、再稼働を待つプラントの余寿命評価や予測につなげています。
今後の夢や目標について教えてください。
現在、原子炉の解体が進む1・2号機の廃炉材の研究を続け、原子炉材料の経年劣化に対する知見をさらに高めることが目標です。材料の観点から安全性を評価しお伝えしていくことで、みなさんの安心につながればいいと考えています。
また、長らくこの分野に携わってきた経験を生かし、現実の原子炉に関して活発な議論ができるような後輩育成にも力を注いでいきたいですね。
これまでの研究内容
浜岡1号機廃炉材を用いた原子炉の照射損傷に関する研究
ボルトの減肉事象に対する超音波診断技術に関する研究
高アスペクト比の欠陥に対する応力拡大係数評価に関する研究
ピーニング施工材の中性子照射による応力緩和に関する研究
XM-19鋼のSCC進展速度に関する研究
X線散漫散乱法による照射したニッケル合金中の欠陥構造に関する研究
原子炉内表面に発生した孔食に対する封止溶接に関する研究
原子炉の照射量実測に関する研究
超音波検査による減肉欠陥サイズの定量的評価に関する研究
技術報告(技術開発ニュース)
研究内容(ポスター)
特許
隙間部からの有害アニオンの排出促進方法(出願中)
所属学会
日本原子力学会
日本保全学会
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