株主通信「ちゅうでん」
恵那市内で地域マイクログリッドの運用を開始
日本ガイシ株式会社(以下「日本ガイシ」)、恵那市、中部電力パワーグリッド株式会社(以下「中部電力パワーグリッド」)は、2024年3月、恵那市明智町で、大規模な停電が発生した場合に地域内で電力を自給する地域マイクログリッドの運用を開始しました。
運用を開始した地域マイクログリッドでは、停電発生時に、恵那市吉良見地区に設置されている大容量蓄電池NAS®電池(注1)と太陽光発電設備(PV)から避難所を含む地域の電力供給範囲に電力を供給します。NAS電池の自立運転機能により、自動で域内の電力の需給バランスの調整を行うほか、PVで発電した電力をNAS電池に充電することで、長時間にわたる電力供給が可能です。また、中部電力パワーグリッドの既存の配電網を活用することで、専用の送電線(自営線)整備などの追加コストをかけずに域内に電力を供給することができます。2023年3月に実運用環境下での発動試験により運用できることを確認し、その後、2024年3月にも災害対応訓練を実施し、運用開始に至りました。
本件は、中部電力パワーグリッド管内で初めて運用される地域マイクログリッドとなります。
地域マイクログリッドは、地域内の蓄電設備や再生可能エネルギーなどによって電力を地産地消するしくみです。有事の際には、配電網から独立して地域内で電力を安定的に供給することができます。
近年、激甚化する自然災害による大規模な停電が懸念されており、地域のレジリエンス強化と再生可能エネルギー普及の双方を実現できる取り組みとして、自治体などによる地域マイクログリッドの構築が進められています。日本ガイシや恵那市などが出資する地域新電力会社の恵那電力株式会社(注2)でも、保有するNAS電池やPVを有事の防災電源として活用するしくみ作りを始めています。
日本ガイシ、恵那市、中部電力パワーグリッドは、このたびの運用を通じて得た知見やノウハウにより、地域マイクログリッドの他地域への展開も検討する予定です。3者は引き続き地域マイクログリッドの運用で協働し、恵那市の災害対策のさらなる拡充を目指します。
- 概要
太陽光発電設備 | NAS電池 | 供給方法 |
---|---|---|
300kW | 1,200kWh(200kW) | 既存の配電線(中部電力パワーグリッド)経由 |
- 構築範囲
ふれあい会館吉良見(恵那市の避難所)
ふれあい会館吉良見~吉田発電所間(約1km)の配電線上にある一般需要家
(注1)NAS電池についてはこちらをご参照ください。
(注2)恵那電力株式会社についてはこちらをご参照ください。