プレスリリース
浜岡原子力発電所 警備車両に搭載の可搬型検査装置からの発火に係る調査結果および今後の対応について
2021年09月02日
中部電力株式会社
当社は、浜岡原子力発電所の3号機サービス建屋入口付近の駐車場(屋外)において、2021年4月29日に発生した警備車両に搭載していた可搬型検査装置(注1)からの発火について、御前崎市消防署(以下、「消防署」という。)による調査の結果(注2)を受領し、今後の対応を定めたためお知らせします。
消防署による調査の結果、「出火原因に至る物証はないものの、当該検査装置が何らかの原因で出火し、焼損したと推定する」との見解を得ました。本調査は、当社および検査装置メーカ立会のもと実施しており、消防署による調査内容を踏まえると、今後当社が独自に調査を継続したとしても原因の特定に資する新たな知見が得られる可能性は低いと考えています。
本事象は、危険物検査を速やかに実施できるよう、当該検査装置の電源を入れ、待機状態で車両に配備していた時に発生しました。また、その際、車両には人はいない状況でした。このため、本事象発生以降、以下の運用を行ってきました。
1. 火災の発生リスクの低減
検査装置不使用時または人が検査装置から離れる場合は、電源を切りバッテリーを取外す、もしくはコンセントタイプの検査装置の場合はプラグを抜いておくことで、火災の発生リスクを低減します。
2. 火災の拡大リスクの低減
検査装置の電源が入っている場合は、検査装置の近傍に人と消火器を配備することで、万が一、検査装置が発火した場合の火災の拡大リスクを低減します。
本火災の発火原因の特定には至らなかったものの、上記運用を継続することで、火災に至るリスクは最小限に抑えられると考えています。さらに、当該検査装置の設備更新時には、型式の変更を含め火災発生リスクの低減について検討してまいります。
なお、当該検査装置は他の施設でも使用されており、火災事例はこれまで報告されていません。
(注1)可搬型検査装置とは、建屋内への危険物の持ち込みを検査するための可搬型の装置であり、3号機サービス建屋から離れた4号機海水熱交換器建屋等への入域時に使用します。
(注2)消防署の報告書では、3回にわたる見分を実施し、車両の確認および当該検査装置の分解確認を行った結果から、当該検査装置外面および内部機器に溶融や焼損等を確認したこと、本件が放火によるものではないことが記載されている。
【これまでの公表状況】
浜岡原子力発電所 警備車両に搭載の可搬型検査装置からの発火について(2021年4月29日公表)
別紙
以上
別紙
警備車両に搭載の可搬型検査装置からの発火に係る調査結果および今後の対応
1. 発生事象の概要
2021年4月29日13時24分、浜岡原子力発電所の3号機サービス建屋入口付近の駐車場(屋外)において、駐車している警備車両の内部に煙が充満していることを、協力会社社員が確認しました。連絡を受けた警備を担当する協力会社社員が当該車両を直ちに確認したところ、搭載していた可搬型検査装置(注)から発火していることを確認したため、ただちに消火器による消火活動を実施し、13時41分に当社社員が鎮圧を確認しました。
本事象について御前崎市消防署(以下、「消防署」という。)に通報し、14時05分、消防署による現場確認の結果、鎮火が確認されました。
また、本事象を受け、発電所構内で使用している同型の可搬型検査装置を確認し、異常がないことを確認しております。
本事象は外部への放射能の影響に係る事象ではありません。また、人身災害もなく、発電所のプラント設備、核物質防護に与える影響はありません。
(注)可搬型検査装置とは、建屋内への危険物の持ち込みを検査するための可搬型の装置であり、3号機サービス建屋から離れた4号機海水熱交換器建屋等への入域時に使用します。
火災発生場所(敷地図)
発火した可搬型検査装置を搭載していた警備車両
発電所区域(概念図)
2. 原因調査
(1)調査方法
可搬型検査装置の発火の原因調査については、消防署による調査を行いました。なお、消防署の調査には、検査装置メーカも協力して実施しました。調査の実施日およびその内容を表1に示します。
表1 消防署による原因調査の内容
調査日(実施場所) |
調査内容 |
---|---|
2021年4月29日 |
当社と警備を担当する協力会社が立会のもと、火災現場において車両の確認および当該検査装置の確認。 |
2021年5月7日 |
当社立会のもと、検査装置を設置していた板(木製)の確認および当該検査装置の確認。 |
2021年6月3日 |
当社と検査装置メーカ立会のもと、当該検査装置の分解確認。 |
(2)調査結果
消防署による調査の結果、「放火でないこと」を確認し、「出火原因に至る物証はないものの、当該検査装置が何らかの原因で出火し、焼損したと推定する」との見解を得たものの、発火原因の特定には至りませんでした。
本調査は、当社および検査装置メーカ立会のもと実施しており、消防署による調査内容を踏まえると、今後当社が独自に調査を継続したとしても原因の特定に資する新たな知見が得られる可能性は低いと考えています。
3. 今後の対応
本事象は、危険物検査を速やかに実施できるよう、当該検査装置の電源を入れ、待機状態で車両に配備していた時に発生しました。また、その際、車両には人はいない状況でした。このため、本事象発生以降、以下の運用を行ってきました。
(1)火災の発生リスクの低減
検査装置不使用時または人が検査装置から離れる場合は、電源を切りバッテリーを取外す、もしくはコンセントタイプの検査装置の場合はプラグを抜いておくことで、火災の発生リスクを低減します。
(2)火災の拡大リスクの低減
検査装置の電源が入っている場合は、検査装置の近傍に人と消火器を配備することで、万が一、検査装置が発火した場合の火災の拡大リスクを低減します。
本火災の発火原因の特定には至らなかったものの、上記運用を継続することで、火災に至るリスクは最小限に抑えられると考えています。さらに、当該検査装置の設備更新時には、型式の変更を含め火災発生リスクの低減について検討してまいります。
なお、当該検査装置は他の施設でも使用されており、火災事例はこれまで報告されていません。
以上