成果・取り組み紹介
超コンパクトモジュール型ハイブリッド熱処理炉「EC Hybrid Ⅱ」の開発
~ハイブリッド連続式熱風循環炉として世界最小クラスのコンパクト化と約6割の省エネを実現~
背景と課題
熱処理は、材料を加熱、冷却して性質を向上させる技術です。
これまで、大型のガス燃焼炉で大量の熱処理部品が生産されていましたが、小ロット生産や生産量の変動に対応できず、ライン変更も困難でした。
開発の目的
多品種少量生産や生産量の変動にも対応したフレキシブルな生産ラインの構築と省エネを両立させる新規の熱処理炉の開発を目指すとともに、デマンドレスポンスやカーボンニュートラルへの段階的なシフトを見据え、操業中に電気・ガスの熱源切替を可能とする熱源のハイブリッド化を実現することを目的としました。
仕様
熱交換器とガスバーナを一体化した排熱回収バーナと温度制御を高精度に行う電気ヒータを搭載し、熱処理の工程毎に最適な熱源を設定することで多品種少量生産に対応できるコンパクトモジュール型のハイブリッド熱処理炉を開発しました。操業中に熱源を切り替えられることから、デマンドレスポンスにも対応可能です。本開発品は、金属の熱処理のほか、塗装乾燥や樹脂乾燥、金属部品の予熱などの用途にも適用できます。


プレスリリース
製品の特長
- 小型化
排熱回収バーナの採用や連結コンベアレスで、従来より73%コンパクト化 - 省エネ
ハイブリッド化で、工程毎に最適な熱源を選択でき、59%の省エネを実現 - 時短
590℃の高温熱風による循環加熱で、36%の昇温時間短縮を実現 - DR
電気とガスの切替が容易であるため、デマンドレスポンスにも対応


解説動画
適用先
- アルミ製品の熱処理
- ガラス製品のアニール処理
- 樹脂製品の乾燥
- 塗装乾燥
- 焼付
共同開発先
株式会社エコム
開発者のひとこと
熱処理条件に合わせたきめ細かい制御が可能な超コンパクト型ハイブリッド熱処理炉のご提案を通じ、熱処理工程の省エネの実現やデマンドレスポンスへの対応に貢献してまいります。