ボート競技の魅力
チームボートに英雄は必要ありません。エイトという種目では、コックス(舵手)の号令に従って、8人の漕手が一糸乱れぬ動きをし、同じ力量を発揮することで、艇のスピードを高めます。個々人の基礎的な能力も問われますが、何よりもチームワークを重視する競技です。
選手がボート競技の魅力を語ります
安藤 優作(男子主将)
ボート競技の魅力の1つとして、スピード感をあげたいと思います。特に、舵取り1人と漕ぎ手8人で組まれるエイトのスピードは圧巻です。
レースは2,000m(1,000mのレースも有)。序盤の500m。艇は停止状態でスタートしますが、スタートフラッグが振られると、漕ぎ手は力を爆発させ、一気にトップスピードへ艇を加速させます。かなりの迫力とスピード感。艇が飛んでいくような感じです。500mから1,500mの間は、うって変わって艇を滑らせるように、クルージング。静かに、力強く、流れるようなリズムで。そして、残り500m。気力・体力を振り絞ってのラストスパートが繰り広げられ、スタートとはひと味違った迫力で、観客を魅了します。
高いスピードは、舵取りと漕ぎ手の9人が完全にシンクロしてはじめて手に入るもの。私たちは、日本最高のスピードを求めて日々トレーニングしています。
最近では、ボート競技がドラマでも取り上げられることが多くなりました。ぜひ一度、大会会場に「生」のスピードを感じにいらしてください。
吉田 拓人(男子副将)
私達は、大自然に囲まれた日本でも有数の良いコンデションを誇る川辺漕艇場で毎週末の練習をおこなっています。この環境がボートの魅力を強く表現していると私は感じています。
1年中穏やかで鏡のような水面を保っており、そんな中、水を切ってボートが進んでいく。その後には波紋だけが残っていく。ボートが進んでいく音しか聞こえてこない。広大な大自然を独占している、一体になっている感覚になります。
クルーの全員が一体になって、みんなでボートをスピードに乗せて進めることも醍醐味の1つです。それに加えて、恵まれた自然の中で、自然と調和しながらボートを漕ぐこと。四季の移り変わりを感じ取りながら漕げることは大変心地よく、大きな魅力になっていると思います。
ボート競技について
種目と距離
ボート競技の種目は以下の10種目が定められています。
種目 | 記号 | 選手の人数 | 備考 |
---|---|---|---|
シングルスカル | 1× | 漕手1 | スカル種目 (漕手1人が2本のオールで漕ぐ) |
ダブルスカル | 2× | 漕手2 | |
舵手なしクオドルプル | 4× | 漕手4 | |
舵手つきクオドルプル | 4×+ | 漕手4、舵手1 | |
舵手なしペア | 2- | 漕手2 | スウィープ種目 (漕手1人が1本のオールで漕ぐ) |
舵手つきペア | 2+ | 漕手2、舵手1 | |
舵手なしフォア | 4- | 漕手4 | |
舵手つきフォア | 4+ | 漕手4、舵手1 | |
エイト | 8+ | 漕手8、舵手1 | |
ナックルフォア | KF | 漕手4、舵手1 |
距離は2,000mまたは1,000mでおこなわれます。
クルーのポジションと役割
エイトの例
ポジション | 役割 |
---|---|
舵手 (コックス) |
エイトでは船尾がほとんどですが、フォア、ペアなどでは、船首に近いところに位置することもあります。舵取り、ペース配分の指示などをおこないます。 |
整調 (ストローク) |
クルーのリード役であり、ぺース配分、ピッチの上げ下げなどをリードし、クルー全体のリズムの中心となります。 |
舳手 (バウ) |
漕手全体を見ることができるため、全体の調子をみたり、声を出して励ましたり、オールの乱れを注意したりすることが必要です。 |
その他の漕手 | 主にエンジンの働きをするので、体力のある漕手を配します。 |