架空送電とは
架空送電では、鉄塔、電線、がいしでできています。電圧を高くして電気を送るため、鉄塔で地上から高いところに電線を支えて、がいしで絶縁します。
雷、台風、氷雪、豪雨などのときでも確実に電気を送ることができるように工夫されています。
(注)発電所でつくられる電気は、電線3本を1組として電力を送る三相交流と呼ばれる電気です。
鉄塔
鉄塔の構造
鉄塔の種類
電線をささえるものには鉄塔、鉄柱、鉄筋コンクリート柱、木柱などがありますが、強度と信頼性が高いため、主として送電線には鉄塔が使われます。鉄塔は、設置場所や送る電気の電圧によって、いろいろな形状や大きさのものがあります。例えば、送電線が直線部分の鉄塔は「懸垂型」、送電線に角度がついた鉄塔には「耐張型引留め鉄塔」が使われています。
また、地上高60m以上のものは、赤白に塗り分けられたり、航空障害灯としてフラッシュライトがつけられています。
電線
架空送電線は、がいしで絶縁されているため、絶縁電線ではなく、裸線を使用しています。一般に下図のような鋼心アルミより線や裸硬銅より線が使われています。
送電に使われる電線
裸硬銅より線(HDC:Hard Drawn Copper)
鋼心アルミより線(ACSR:Aluminum Conductor Steel Reinforced)
がいし
がいしは、送電線、配電線などの電気の流れる電線と鉄塔・電柱とを絶縁するためのもので、高い絶縁能力と大きな強度が必要です。がいしは、太陽光や温度変化による自然劣化が少ない磁器製が使われています。がいしには電線の重量や電線を張る力、そして風圧などの大きな力がかかります。一列のがいしで強さが足らない時は、二連、三連と並列に増やしていきます。また、電圧を高くする時は直列に連結していきます。