公開情報

アクシデントマネジメント整備報告書の提出について

2004年2月17日トピックス5号機

本日、「浜岡原子力発電所5号炉のアクシデントマネジメント整備報告書」をとりまとめ、原子力安全・保安院に報告しました。
提出した報告書は、5号機の安全性をより一層向上させるために実施した、アクシデントマネジメント(設備上の対応策、実施体制、手順書類、教育等)の整備結果をとりまとめたものです。アクシデントマネジメントの整備は平成15年7月16日に公表したアクシデントマネジメント検討報告書の整備方針に従い実施しました。
なお、1~4号機についても、既にアクシデントマネジメントの整備を完了しており、この結果を、平成14年5月29日に原子力安全・保安院に報告しています。
今後とも、このような活動を通して浜岡原子力発電所の安全性向上に努めて参ります。

以上

浜岡原子力発電所5号機のアクシデントマネジメントについて

(解説)

アクシデントマネジメントとは

原子力発電所の安全性は、多重防護の思想に基づき安全確保対策を行うことで十分確保されています。
そのため、燃料が溶けるなど、炉心が大きく損傷するような過酷事故(シビアアクシデント)が発生する可能性は十分小さくなっています。
アクシデントマネジメント(AM)とは、発生の可能性が十分小さいとはいえ、シビアアクシデントに至る恐れのある事態が万一発生した場合、それが拡大するのを防止するため、もしくは拡大した場合にもその影響を緩和するために実施するものです。
AMの整備は、電力が自主的に実施するものです。
浜岡5号機は、設備上の対応策(AM策)と運用面の対応策(実施体制、手順書類の整備、教育等の実施)を整備しました。

経緯

○昭和54年3月 スリーマイルアイランド2号機事故。これ以降当社は、AMに関する検討を積極的に進め、万一、設計の想定を超える事象に至っても、現有する設備を有効活用することにより適切な対応が可能なように、手順書を整備・充実し、教育等を実施。
○平成4年5月 原子力安全委員会が「シビアアクシデントは工学的には現実に起こるとは考えられないほど発生の可能性は十分小さい」としたうえで、安全性を一層向上させるため、AMの整備を奨励。
○平成4年7月 通商産業省(当時)が「現時点では規制的措置を要求するものではない」としたうえで、電力に自主的な保安措置としてAM整備を要請。
○平成6年3月 浜岡1~4号機のAM検討報告書提出。
○平成9年10月 原子力安全委員会は「新設炉については、詳細設計の段階以降速やかにAMの実施方針について行政庁から報告を受け検討する。この検討結果を受け、原子炉設置者はAM策を燃料装荷までに整備する。」とした。
○平成14年5月 浜岡1~4号機のAM整備報告書、AM有効性評価報告書提出。
○平成15年7月 浜岡5号機のAM検討報告書および確率論的安全評価報告書提出。
○平成16年2月 浜岡5号機のAM整備報告書提出。

5号機のアクシデントマネジメント

設備上の対策

(1) 原子炉および格納容器への注水機能にかかわるAM策(代替注水手段)
 原子炉等に冷却水を注水するための非常用炉心冷却系ポンプが万一故障した場合に備えて、補給水系や消火系のポンプによっても原子炉および格納容器へ注水できるように配管を接続しました。
(2) 格納容器からの除熱機能にかかわるAM策
 格納容器に耐圧性を強化したベントラインを設けました。
(3) 安全機能のサポート機能にかかわるAM策(電源の融通)
 浜岡4号機から低圧交流電源を融通して直流電源を復旧できるようにし、非常用ディーゼル発電機の起動電源、高圧交流電源を融通する際の遮断器の駆動用電源等を確保できるようにしました。また、浜岡3号機から動力用の高圧交流電源を融通できるようにしました。

【図】浜岡原子力発電所5号機のアクシデントマネジメントについて

なお、「原子炉停止機能」については、基本設計段階で採用したAM策により十分に機能向上が図られています。

運用面の整備結果

(1) AM実施体制として、中央制御室の運転員とそれを支援する組織(緊急事態対策本部の一部が該当)を整備しました。
(2) 事故対応で使用する手順書(非常時運転操作手順書、緊急時運転操作手順書)に、整備したAM設備に関する操作を記載し、また、AM実施のためのガイドライン(緊急時運転操作手引)を制定しました。
(3) それぞれの要員の役割に応じた教育等を定期的に実施することとし、AMに関する教育を平成15年12月から平成16年1月にかけて実施しました。

以上

ページトップへ