公開情報

1号機 シュラウドサポートリング部のひび割れの調査状況について

2004年6月3日運転情報1号機

■1号機

今回の定期点検において、シュラウドサポートリングの溶接線(H7a内側およびH7b内側)付近にひび割れが点在していることを確認しました(平成15年7月10日および11月20日公表)。確認したひび割れについて、金属サンプルを採取しての調査などを行ってまいりました。これらの結果及び今後の対応がまとまりましたので、お知らせします。

1. 調査結果

採取した金属サンプルを用いた断面観察や破面観察などの調査の結果、ひび割れの原因は応力腐食割れであると推定されました。ひび割れの内部形状は、他プラントのシュラウド中間部胴で見られた表面形状が複雑なひび割れの場合と異なり、内部で複雑に広がるような進展の様子は認められず、表面形状が複雑であっても概ね内表面に垂直に進展していることを確認しました。
また、超音波探傷試験によるひび割れ深さの測定結果(注1)とその後に実施したひび割れ深さの実測値を比較した結果、両者は概ね一致しており、リング部ではひび割れの表面形状が複雑であっても、超音波探傷試験によりひび割れの深さを測定できることを確認しました。

なお、今回、リング部で確認されたひび割れについては、表面形状が複雑でも、超音波探傷試験によりひび割れの深さを測定できることを確認できたことから、平均的な深さのひび割れ(約18mm)が全周にあるものと仮定し、「ひび割れのない健全な部分の面積(残存面積)」と「構造強度を維持するのに最低限必要な面積(必要面積)」との比較による健全性の評価を行いました。この結果、残存面積は、必要面積の約2.4倍を有しており、現時点での健全性が確保されていると評価しました。

(注1)シュラウドサポートリングの溶接線で確認されたひび割れについては、ひび割れ確認時の超音波探傷試験の結果、最大深さは約21mm とお知らせしておりました(平成15年10月2日公表)。このように、比較的深いひび割れが測定されたことから、当初用いた超音波の入射角度に加え、より深いひび割れまで探傷できるよう、入射角度を変えて再度、超音波探傷試験を行いました。その結果、ひび割れの最大深さは約29mmでした。測定結果とは、再測定後の値です。

2. 今後の対応

シュラウドサポートリングの溶接線で確認されたひび割れは、定期点検毎のひび割れ進展状況の監視による工程への影響を考慮して、今回の定期点検で修理を行うこととし、具体的な修理方法について、今後検討してまいります。
なお、炉心シュラウドの溶接線の点検などを進めるとともに、ひび割れの徴候を確認した再循環系配管の取替え、ひび割れを確認したシュラウドサポートやジェットポンプの健全性評価を進めてまいります。

以上

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