公開情報

2号機 原子炉冷却材再循環ポンプMGセット(A)の点検について

2003年12月15日運転情報2号機

■2号機

2号機(営業運転中)において、2台ある原子炉冷却材再循環ポンプMGセット (注1) のうち、1台(A号機)の駆動用モータ側軸受振動値 (注2) が、管理値内であるものの通常値に比べ高めの値であるため、予防保全の観点から、今週末、原子炉の出力を下げ、原子炉冷却材再循環ポンプMGセット(A)を停止して点検を行うこととしました。
なお、MGセット(A)の点検は保安規定 (注3) の範囲内で行うもので、1台停止しても原子炉の安全に影響を及ぼすものではありません。
経緯は以下のとおりです。
11月28日、原子炉冷却材再循環ポンプMGセットの定期的な振動測定(毎月1回測定)を実施したところ、MGセット(A)の駆動用モータ側の軸受振動値が、通常値(約0.010ミリメータ)に比べ、高めの値(約0.040ミリメータ)であることがわかりました。
この振動値は、振動の管理値(0.085ミリメータ)内ですが、念のため、MGセット(A)の運転状態の調査を実施するとともに振動値の監視を強化してきました。その結果、MGセットに係る常設監視計器の指示値や機器の運転状態に変化は認められないものの、振動値に緩やかな上昇傾向が認められました。12月11日6時現在、振動値は約0.054ミリメータです。

(12月11日公表済)

12月13日にMGセット(A)を停止して点検を実施した結果、MGセット(A)駆動用モータと流体継手の回転軸結合部に封入された潤滑材(グリス)をシールするゴム製リングにつぶれや破損が認められました。
このため、徐々にグリスが減少し、結合部の当たり面の変化により振動が緩やかに上昇したものと推定されます。
ゴム製リングを新品に取り替え、グリスを補充した結果、現在(12月15日8時)の当該軸受の振動値は約0.028ミリメータに低下しました。  なお、12月14日7時55分、原子炉は定格出力に復帰しました。

(注1)MGセットは、原子炉内の水を循環させる原子炉冷却材再循環ポンプの電源を供給し、ポンプ速度の調整を行う設備。ポンプ速度を上げると原子炉出力は増加し、ポンプ速度を下げると、出力は低下する。

(注2)振動の程度を振幅(振れ幅)で表したもの

(注3)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 第37条に基づき、原子炉設置者が原子力発電所の安全運転を行う上で守るべき基本的な事項を定めた規定。

概要図

MGセット駆動用モータと流体継手の回転軸結合部構造図

以上

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