公開情報

シュラウド下部リング溶接部付近で発見されたひび割れについて(調査状況)

2002年9月24日運転情報4号機

4号機(9月4日から第7回定期検査)において、シュラウドの点検を行っておりますが、この点検において、下部リングの溶接部付近にひび割れが認められました。
下部リング溶接部のうち、現在までに確認した範囲は70cm程度であり、見つかったひび割れは3箇所、最大の長さは45cm程度です。シュラウド当該部位の点検は、他電力プラントの事象を踏まえ、今定期検査において実施するものです。
今後、下部リング全周にわたり詳細な点検を行ってまいります。

(参考)

シュラウドは、原子炉圧力容器内に燃料集合体(炉心)を囲むように設置されている円筒状のステンレス製構造物であり、原子炉内の冷却水の流れを分離する仕切板の役割をするものです。

平成14年9月24日
4号機(9月4日から第7回定期検査)において認められたシュラウド下部リングの溶接部付近のひび割れに関して、下部リング外側の全周にわたり目視点検を行っておりましたが、この結果、目視可能な範囲(全周に対し約70%)において、ひび割れが点在していることがわかりました。1箇所あたりの最大長さは約15cmであり、総延長は目視可能な範囲に対して約20%です。
今後、原因の調査等を行ってまいります。
(20日時点で最大45cm程度としていたひび割れは、詳細に調査した結果断続的なひび割れであることがわかりました。)

原子炉圧力容器を上部からみた概念図

ひび割れのスケッチ

平成14年12月17日
4号機原子炉圧力容器内シュラウド下部リングの溶接部付近において認められたひび割れにつきまして、超音波による深さ測定や健全性評価を行ってまいりました。
超音波による深さ測定の結果、ひび割れの深さは最大で約14mmでした。また、当該溶接部の健全性評価の結果、ひび割れの進展は一定の深さで止まり、ひびが最大に進展した場合でも、健全性が確保されていることを確認しました。

事象の概要

◆原子炉圧力容器概要図

◆シュラウド

(参考) シュラウドは、原子炉圧力容器内に燃料集合体(炉心)を囲むように設置されている円筒状のステンレス製構造物であり、原子炉内の冷却水の流れを分離する仕切板の役割をするものです。

シュラウドの健全性評価

(1)ひび割れの進展評価について

シュラウド下部リング溶接部付近にひび割れがあった場合の、ひび割れの進展評価を行いました。 評価の結果、
初期は緩やかに進展し、次第に進展量が増加しますが、その後、材料内部の引っ張り応力がなくなることから再び緩やかな進展となります。
最終的には、ひび割れの深さは約36mmで停留することがわかりました。

(2) 強度評価について

運転中に想定東海地震(M(注)8.0)を上回るM8.5の地震がおきた場合にも、シュラウドの構造を維持するために必要な厚さを評価しました。なお、評価は、日本機械学会「原子力発電設備規格 維持規格」に基づいて行いました。
(注)M(マグニチュード):地震のエネルギーの大きさを示す指標
その結果、シュラウド下部リング部溶接部の厚さ約50mmに対して、8mmの厚さがあれば(ひび割れの深さとして42mm以内)、シュラウドの構造健全性は維持されることを確認しました。

以上

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