水車は、水力発電所の心臓部と言えるもので、高い所から落下してくる水や、勢いよく流れ込んでいる水の力を受けて回転します。つまり、水車は水のエネルギーを、回転する機械エネルギーに変えるものです。
フランシス水車
水の圧力と速度をランナーと呼ばれる羽根車に作用させる構造の水車で、広い範囲(10~300メートル程度)の落差で使用でき、日本の水力発電所の約7割がこの水車です。

フランシス水車(新上麻生発電所)

ペルトン水車
水の速度のみを利用する水車で、落差の大きい発電所に用いられます。ノズルから強い勢いで吹き出す水を、おわん形の羽根に吹きあてて回転させます。

ペルトン水車(新楠川発電所)

プロペラ水車
理論的にはフランシス水車と同じで、水の圧力と速度を利用します。落差が比較的低く、しかも流量が多い発電所で採用されます。またプロペラ水車には、羽根を固定したものと動かすことができるものとがあり、後者を一般に「カプラン水車」と呼んでいます。

プロペラ水車(新七宗発電所)

クロスフロー水車
フランシス水車と同じで、水の圧力と速度を利用します。クロスフローとは水がランナーを交差し流れることを意味しています。主に1,000kW以下の小水力発電所で採用されます。

クロスフロー水車(東河内発電所)
