プレスリリース
3月2日に発生した長野県内における停電の原因と再発防止策について
2015年03月31日
中部電力株式会社
3月2日、27万5千V信濃東信線が停止したことにより、長野県北東中部(長野市・上田市・松本市・安曇野市など)の広範囲にわたり停電が発生いたしました(3月2日お知らせ済み)。
今回の停電により、多くのお客さまにご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
当社は、停電発生以降、原因究明と対策の検討を進めてきましたが、このたび、原因の特定ならびに再発防止策を取りまとめましたので、お知らせします。
1 停電の原因
(1)停電発生に至るまでの気象状況
1 停電が発生した前日の3月1日から2日未明にかけて太平洋沿岸を低気圧が通過していました。この低気圧の通過により、3月1日10時頃から21時頃まで東よりの強い風(最大約15m/s)を伴う降雪が確認されました。
2 3月1日14時以前の降雪時の気温は0℃~2℃程度で、雪は水分含有量が多く、湿っていたと考えられます。
その後、2日未明にかけて気温が低下していました。
3 3月1日21時以降、風速約4m/s~約9m/s程度の西よりの風が継続的に吹いていたと考えられます。
(2)原因の特定
次の2つの検討結果から、今回の停電の原因を「ギャロッピング現象」によるものと断定しました。
1 故障箇所の気象解析結果
停電が発生した前日の3月1日に降り続いた湿った雪が、電線東側の一方向に着雪し(以下、「湿型着雪」という)、その後の気温の低下により、雪が凍り(以下、「氷化」という)長時間落雪しなかったと考えています。
その後、西よりの風が継続的に吹くことにより、電線が上下運動する「ギャロッピング現象」が生じる条件になったと分析しました。
2 故障点の評価
故障点が発見された径間において、電線の搖動(揺れ動く様)をシミュレーションした結果、故障箇所のアーク痕位置とギャロッピングの想定最接近位置がほぼ一致しました。
2 再発防止策
(1)故障点が発見された径間における対策
ギャロッピング対策として、現在、片側電線把持部が回転可能な構造を有することで揚力特性が変化しギャロッピング現象を抑制するルーズスペーサと、送電線の振幅を抑制し、電線同士の接近または接触を防止する相間スペーサが考えられます。今回、それぞれの対策の特性を考慮して、1回線毎に異なる対策を行うこととし、これにより、2回線同時故障を起こさないものと考えております。なお、対策については、平成27年11月末までに完了します。
(2)信濃東信線におけるその他径間の対策
また、当該線路のその他箇所において、湿型着雪の氷化を考慮した再評価を実施し、必要な箇所に対し、ギャロッピング対策を実施することとし、上記と同じく、平成27年11月末までに完了します。
(3)信濃東信線以外の送電線の対策
他線路についても、系統条件および気象条件を精査し、ギャロッピング対策の必要な箇所に対し、今後、計画的に対策を実施していきます。
今回取りまとめた再発防止策を実施することで、同様の事象が発生しないよう取り組んでまいります。
添付資料
以上