RESEARCHERS
先端技術応用研究所
中山 浩
HIROSHI NAKAYAMA
PROFILE
所属 | 先端技術応用研究所 |
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研究・専門分野 | 熱流体工学、伝熱工学 |
学位 | 修士(工学)名古屋大学 博士(工学)名古屋大学 |
趣味・好きなこと | 旅行、100名城巡り、映画鑑賞、将棋 |
研究キーワード | 産業用ヒートポンプ、空調制御、熱交換器、IoT |
(注)2024年2月取材時
中山さんの専門分野を教えてください。
専門分野は「熱流体工学」と「伝熱工学」です。
大学で機械工学を学ぶ中で、熱機器をいかに省エネルギー化するかに興味を持ち、熱流体工学と伝熱工学を専攻しました。博士号取得後は、長らく大学で空調や熱交換器に関する基礎研究をおこなっていましたが、次第に自分の知識や技術をより社会の役に立つ形で活かしたいと考えるようになり、当時、共同研究で縁があった中部電力に入社しました。
現在はどんな研究に取り組んでいるのでしょうか。
現在は主に2つのテーマで研究に取り組んでいます。
1つ目は、産業用ヒートポンプの研究開発です。
これまで工場などで使用する熱といえば、ガスボイラで蒸気を作り、配管を通して送るものが主流でした。ただ、ボイラから排出される大量のCO2や、配管を通る際に熱が逃げてしまう熱ロスが大きな課題とされています。
一方、ヒートポンプは、空気中の熱エネルギーを利用し、必要な場所やものを高効率で温めたり冷やしたりする技術です。ボイラのようにガスを燃やさないこと、また、少ない電気で稼動できることから、脱炭素化への解決策として産業界への活用が大いに期待されています。
この産業用ヒートポンプの性能を向上させ、ボイラの代替として利用いただくことで、お客さま設備の脱炭素化のお手伝いをしたいと考えています。
2つ目は、工場や店舗内の作業環境の改善に役立つ製品の研究開発です。
近年は働き方改革や人手不足により、現場作業環境の改善ニーズが高まっています。これまでに培った専門知識や経験を活用し、作業環境の現状把握から解決方法の提案まで、幅広く取り組んでいます。
具体例としては、工場内で発生するオイルミスト濃度や温湿度分布をセンサで見える化する機器や、作業場(出荷、検査工程)の一区画をエアカーテンで囲い、壁が設置できない区画でも内部の温度を快適に保つ製品の開発に携わってきました。
なお、研究開発に際しては、実際にお客さまから直接お話を伺い、課題やニーズをしっかりと反映するよう心がけています。
今後の夢や目標について教えてください。
さらなる脱炭素化推進のため、高温で高効率の産業用ヒートポンプを開発することが目標です。
産業用ヒートポンプは低温領域(50~80℃)を得意としていますが、今後は高温領域(100℃以上~200℃以下)の適用が注目されています。たとえば化学分野など、製造過程で高温領域の熱を使用する工場でも適用できる産業用ヒートポンプの開発に取り組みたいと考えています。
これまで、自分の専門分野を活かした研究開発が、お客さまや社会に広く受け入れられ、社会実装されることをモチベーションにして取り組んできました。
今後もその想いは変わりません。
引き続き、お客さまや社会に貢献できる研究開発に取り組んでいきます。
技術報告(技術開発ニュース)
研究内容(ポスター)
特許
空調機の運転制御装置及び空調機の運転制御方法(特許第5318519号)
生産ラインシステム(特許第5536489号)
気化式加湿器及びその運転方法(特許第6374268号)
ヒートポンプ装置及びその制御方法(特許第6771988号)
吸湿材(特許第7186961号)
エアカーテン装置(特開2022-19365)
ゾーン空調システム(特開2022-171309)
所属学会
日本機械学会
日本伝熱学会
日本冷凍空調学会
空気調和・衛生工学会
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