皆さまからいただく質問
電気は足りているのになぜ原子力発電は必要なの?
エネルギー資源がほとんどない日本では、原子力発電の特徴を活かし、将来に備える必要があるからです。
日本は、世界でも有数のエネルギー消費大国
しかし、エネルギーの約9割を海外に依存しています。
暮らしに欠かせない電気やガスなどのエネルギー。しかし、日本が自国でまかなえている割合は12%(エネルギー自給率)。世界で5番目にエネルギーを使っている消費大国であるにもかかわらず、約9割を輸入に頼っています。また、島国であるため、ヨーロッパのように隣の国から送電線を通して電気を買うこともできず、パイプラインをつないでガスを買うことも容易ではありません。
(注)原子力発電の燃料であるウランは、一度輸入すると長期間使用することができ、再処理してリサイクルすることが可能なため準国産エネルギー(自給分)として扱われます。
震災以降、全国の原子力発電所が停止
火力発電に大きく依存しています。
東日本大震災が起きた2011年には、電力不足を防ぐための「計画停電」などの対策がとられたものの、それ以降は、電力不足を感じることは少なくなりました。
しかし、原子力発電が止まっている状況では、電力供給の8割を火力発電に依存する状態が続いています。日本はほとんどの燃料を海外からの輸入に頼っているため、もし燃料を輸出しくれている国でトラブルがあると、自律的にエネルギーを確保しにくいという脆弱性を抱えています。
そのため、特定のエネルギーに頼らず、さまざまなエネルギーをバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」が重要です。
(注)1970年度までは9電力計、1975〜2015年度は10電力計(受電を含む)出典:電気事業連合会調べ
2016年度以降は10エリア計 出典:資源エネルギー庁「電力調査統計」より作成
わずかな燃料で多くのエネルギーを生み出せる原子力
使い終わった燃料は、ほとんどが再利用できます。
原子力発電の燃料であるウラン(ウラン235)は、わずか1gで、石油2,000ℓ分、ドラム缶にすると10本分のエネルギーを生み出すほどのパワーがあります。燃料として加工されたウランは、一度、原子炉に入れると、4~5年の間、継続して使用でき、その間、燃料は国内に備蓄しているのと同じくらいの効果が得られます。また、使い終えた燃料の約97%は資源として再利用できるため、準国産エネルギーとして位置づけられます。