断層なども適切に評価

断層には、将来再び動く可能性がある断層(活断層)と動かない断層があります。活断層は、地震を起こしたり、地表に大きなずれを生じさせる可能性があります。浜岡原子力発電所の敷地の下には、活断層はありません。同敷地の下には、「H断層系」と呼んでいる断層がありますが、詳細な調査の結果、活断層ではないことを確認しています。

断層・活断層とは

断層とは、地下の地層、岩盤が過去にずれ動いた跡です。非常に長い年月にわたる地殻変動(プレートの移動)などにより、地下で押したり引いたりする力が加わることで、ずれ動いたものです。断層は、地質調査によって、長さや深さなどの分布状況、加わる力の方向、動いていない年数などがわかります。

活断層とは、こうした調査結果に基づき、地質学の知見から、過去に繰り返し動き、将来再び動く可能性がある断層です。これにより、地震を起こしたり、地表に大きなずれを生じさせることがあります。

「H断層系」について

これまでの調査で、浜岡原子力発電所の敷地およびその北側に断層があることを確認(「H断層系」と呼称)しました。
詳細な調査により、H断層系の状況や断層性状を確認し、将来再び動いて、地震を起こしたり、地表に大きなずれを生じさせる可能性はない(活断層ではない)と評価しています。今後も、最新知見の反映に努め、更なる信頼性の向上に努めていきます。

浜岡原子力発電所の敷地の下の断層について

破砕帯について

破砕帯は、これ自体が地震を起こさなくても、ごく近くの活断層が動いたときに引きずられて動くことにより、地表に大きなずれを生じさせる可能性が指摘されています。
破砕帯とは、地下にある硬い岩盤が、断層がずれ動く際にはたらく力などによって破壊され、硬いものが砕けたような跡が一定の幅を持って帯状に連なっているものとされています。

これに対し、H断層系は、詳細な調査の結果、引っ張られたり伸びたりした状態で固まっていることを確認しており、上記のような破砕帯の性状は見られませんが、原子力発電所の安全性を評価するにあたっては、将来再び動く可能性を評価することが重要です。
H断層系は、上述のとおり、将来再び動く可能性はないと評価しています。

発電所周辺の活断層の評価結果

これまでの調査において、発電所の周辺に、陸域と海域を合わせ計25本の活断層を確認しました。そのうち、「発電所に与える揺れの強さが大きい活断層」について詳細な評価をおこない、これらがプレート間地震と連動する可能性も含め、最も大きな揺れを分析し評価したうえで、安全性を確認しております。なお、評価にあたっては、地震学の専門家による議論を踏まえ、国が定めた評価方法を用いております。

敷地周辺の活断層の図

浜岡原子力発電所敷地周辺の活断層評価における「A-17グループ」の活動性評価については、下記を参照ください。

地殻変動の影響

プレート間地震では、陸側のプレートが持ち上がります。これが南海トラフで起きる場合、発電所の敷地付近で地盤が隆起することが想定されます。しかし、この地盤の隆起は、広い範囲にわたるなだらかなものであり、一部が大きく隆起するなどして構造物や機器に影響を与えるものではありません。

ページトップへ