中部電力のあゆみ(映像紹介:2012年1月制作『20年目の真実』)
【4】 環境教育へのひろがり
「緑のカーテン」の元祖が中部電力と発表した菊本先生。先生は小学校で「緑のカーテン」を育成する環境教育を実践しています。私達はそこで「緑のカーテン」の、省エネ効果以上の成果を知ります。
ナレーション
名付け親を探す途中で、私たちは節電効果だけではない「緑のカーテン」の新しい魅力を発見することもできました。菊本先生は「緑のカーテン」が子どもたちの環境教育にも、大きな成果を上げていると話しています。
菊本るり子さん
「緑のカーテン」を通して子どもたちは、すごく大きく成長していくんですね。終わりの時期になると、ネットを外すのですけれど、その時には先ず、つるの根元を切るんですね。ある女の子が「先生、こんなにまだ青々として実だってなっているのに、どうして切らなくちゃいけないんですか?」って聞いてきた。子どもたちはもう切りたくないんですね。「緑のカーテン」は友達になっているから。
ナレーション
いずれ肥料になって土に戻ってくるのだと諭すと、子どもたちは「ごめんね」と言いながら、辛そうにつるを切るそうです。
菊本るり子さん
そうやって身近な土とか水とか、それから植物の中に「命」を感じられるようになっていくということが、「緑のカーテン」のものすごく大きな成果だと思うんですね。
ナレーション
さらに菊本先生は、この取り組みが“グローブ・ジャパン”で紹介され、子どもたちが板橋区長に報告に行ったときのエピソードを話してくれました。
菊本るり子さん
応接室でとても緊張する雰囲気の中、四人の子どものうちの一人の男の子が、「あのですね・・・」って語り始めたんですね。「緑のカーテンは人に作ってもらったんでは意味が無いんです。」って語り始めた。自分たちでやってこそ意味があるですってことを、ものすごく見事に語ったんですね。私たち顎が外れそうになって見ていたら、さらにもう一人の女の子が、「それにですね・・・」って追い討ちをかけた。その子が何を言うのかなと思ったら、前の年に比べてその年はいくぶん隙間が目立った「緑のカーテン」だったんです。でも「緑のカーテン」の成功は、自分たちで色々なことを感じたり学んだりしながら作り上げていくこと、そして何よりもみんなで力を合わせてひとつのものを作り上げること。だから道路から見たら私たちのカーテンは失敗に見えたかもしれないけれど、私たちにとっては大成功ですっていうことを、その環境の中で語ったんですね。私たちは日ごろ一生懸命子どもたちに、心を育てるためにも教育をしているんですけれども、あそこまで子どもたちが自分の言葉で語れるようになる、そういう学習はなかなか展開できない。それはやっぱり「緑のカーテン」の持っている力なんだと思います。